お客さんの本当の欲求とは?(FCPシート作成のヒント )

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展示会、商談会に出展したことのある生産者さんなら、よ~くご存知のFCPシート。お客さんに商品のことを伝えるための、エクセルフォーマットです。

ここに「利用シーン」という欄があります。今日はその書き方をご紹介します。通常のFCPシート講座では、語られることのない内容です。

利用シーン欄に書かれている典型例として、

「暑い時期、良く冷やすと美味しいです」
「何にでも使える万能調味料です」
「ヘルシーな健康サラダに」

などが挙げられます。

まず「何にでも使える万能調味料です」だとお客さんはどうやって使えば良いかイメージできません。具体的なレシピや付け合せ、最適な季節などを書くことによって、イメージしてもらいやすくなります。利用シーンが具体的であればあるほど、商品の魅力が伝わりやすくなります。

FCPシートの書き方として、一般的に言われるのが、このあたりまで。

僕はブドウ農家で、6次化商品の巨峰レーズンを販売していました。FCPシートには「ワインやチーズの付け合せ最適です」と記載していました。

レーズン嫌いがレーズンを買う矛盾

星野リゾートさん主催の、軽井沢マルシェに出店していたときのことです。販売をしながら、お客さんの不思議な行動が目にとまりました。

レーズンが嫌いなのに買っていく人たちがいるのです。なぜ買うのか質問をしてみると、「今日は軽井沢の友人別荘宅でワイン会があるのよ」というのです。セレブな集まりです。その会には、ワインやおつまみを持ち寄ります。食材などの差し入れをするのです。「珍しい信州産のレーズンを持って行ったら、みんなに喜んでもらえる」というわけです。

このシーンの裏側を、あなたともっと掘り下げて見てみたいと思います。人間の本質的な欲求のところまでです。ワイン会に巨峰レーズンを持ち寄ると、周りの人はどのような反応を示すでしょうか?そして持ち寄った本人は、どのように感じるでしょうか?

お客さんの「真実の欲求」

「わー、面白い食材を見つけてきたわね。さすが、xxxさんの奥さん!ワイン通なだけでなく、食材にも詳しいのね。私も今日は軽井沢アウトレットに行ったけど、こんな珍しものは見つけられなかったわ!」

周りからそう言ってもらえると、巨峰レーズンを持ち寄った奥様は、さぞかし嬉しいことでしょう。ワイン会を盛り上げることができたと、ちょっと自慢したい気分です。他の奥様方から羨望の眼差しで見てもらえて、鼻高々に違いありません。

この奥様が巨峰レーズンを買う理由は、自分が食べるためではありません。羨望の眼差しでみられたいから買うのです。その欲求を満たしてあげるのが、我々販売する人間です。僕はそういったお客さんに対しては、ブドウの豆知識を伝えていました。

「巨峰は伊豆で開発された品種なんですよ。原木の向こうに富士山が見えたから、巨大な峰ということで巨峰という名前が付いたんです」と教えてあげてました。

そうすると、その奥様はワイン会で、披露できるネタが増えるわけです。「私はこんなことも知っているのよ~」ってな具合に! さらに欲求を満たせるわけです。

実際の営業現場で使うのは「真実の欲求」

ではこのような内容をFCPシートの「利用シーン」欄にどのように落とし込めば良いのでしょうか?実はあまり露骨に書かない方がよいです。「あなたの本当の欲求満たします」なんて書いたら、引かれてしまいますので(笑)

僕の場合は、「ワインパーティに持ち寄れば、あなたはワンランク上の空間を演出することになるでしょう。」とサラリと書いていました。

たとえFCPシートに具体的に書かないとしても、実際の営業現場では、「真実の欲求」を念頭に販売したほうが、よく売れます。そしてお客さんに喜んでもらえます。

あなたも、お客さんの心の中にもう一歩踏み込んでみましょう。表には出てこない、「真実の欲求」に気がつくはずです。

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年には新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞。
2016年より中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナーとしても活動中。

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