FCPシート「利用シーン」欄の書き方

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利用シーン

FCPシート(商談シート)の書き方を公開します!

FCPシートとは、農業者/6次化事業者がバイヤーさんと商談するときに使う、商品や会社を紹介するエクセルシートです。このシートに沿って書くと、バイヤーさんが必要としている情報を網羅できます。でも薄っぺらい内容を書いてしまうと逆効果になります。

ターゲット顧客欄と同じくらい重要なのが、「利用シーン」欄です。利用シーンとは、商品の利用方法やおススメのレシピのことを言います。

ここを如何に魅力的に書くかが、バイヤーさんを吸い寄せるカギとなります。

僕は農業法人で働いていた当時、書く⇒バイヤーさんの反応を見る⇒書き直して次に挑む⇒反応を見る・・・をひたすら繰り返しました。

実践を通して分かった、「利用シーン」の書き方をお伝えしたいと思います。

5W1Hで掘り下げる

5W1Hとは、

いつ(When)、どこで(Where)、だれと(Who(m))、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)を意味します。

あなたの商品の利用シーンを、5W1Hで深堀します。売っている商品がドライフルーツである場合、その5W1H例は以下のようになります。

When  食後に
Where 持ち寄りパーティの場で
Who     ワイン好き、健康志向の友達と
What  お気に入りの赤ワインと一緒に
Why   ワインをより楽しむために
How   良く冷やしてから、ワインやチーズの付け合わせとして

お客さんのことをイメージしながら、これを考えていきます。5W1Hに沿うことにより、抜けもれなくシーンを思い浮かべることができます。FCPシートに全てを書き込む必要はありませんが、まずは下書きとして、これらを全て書き出してみましょう。

お客さんへヒヤリング

これらの利用シーンの完成度を高めていきます。そのためには、既存のお客さんへどのようなシーンで食べているかをヒヤリングします。マルシェなど店頭販売の場を使うのがよいでしょう。直接会える機会がないのであれば、優良顧客に電話をします。

ヒヤリングするポイントは、ここでも5W1H。
これを意識しながら隈なくお客さんに質問します。あなたの思い描いていた食べ方と、異なる食べ方をしていることが良くあります。ヒヤリングをすると必ず大きな発見があります。

レストランシェフが使ってくれているのであれば、彼らのクリエイティブな発想を聞いてみるとよいでしょう。間違いなくあなたと異なるアイデアを持っています。

お客さんからもらったヒントをもとに、「利用シーン」欄に磨きをかけます。僕自身が書いていた「利用シーン」も、実はほとんどをお客さんから得た情報をもとに組み立てていました。

応用編:お客さんの心の中に飛び込む

ここからは応用編です。まずは上で書いたことをできるようになってから、次のことに取り組んでください。ちょっと難しいかもしれません。

あなたの商品を食べることによって得られるメリットは、美味しいとか香りが良いとかだけではありません。食べたその先に、お客さんが得られるものは何でしょうか?

たとえば健康志向の人が多く集まる自然派ワインの会を想定してみましょう。そこでワインにピッタリのドライフルーツを提供するとします。ワインに合う食材を食べることによって何が得られるでしょうか?

まずパッと思いつくのは、ワインがよりおいしく飲めるということです。飲食が充実していると会話も弾むことでしょう。コミュニケーションが促進されます。コミュニケーションが促進されたら、どうなるのでしょうか?

健康志向の人の集まりなので、お互いの健康に関する情報交換が進むことでしょう。気づきの多い会になります。自分の食生活を見直すきっかけになるかもしれません。またある人は、日常の運動やストレッチ方法に関する知識を得られるかもしれません。

このワイン会に参加する人は、飲食することを目的に参加しているわけではなく、飲食を一つのきっかけとして捉えている可能性があります。

こうやって、お客さんがあなたの商品を食べることにより、どんなメリットを得られるかをイメージするのです。お客さんが本当に求めている未来や欲求を考えてみましょう。

ここでもやはりお客さんに直接聞いてみることが大切です。そこに重要なヒントが隠されています。そして、それらを利用シーン欄に落とし込みます。これができれば、あなたの食材の価値が飛躍的に高まります。

FCPシートの記入スペースは限られているので、もし書くとしたら次のような表現になります。(あくまで例文です。)

「あなたがxxx(商品名)をワイン会に持ち寄れば、見たことのない地方商品に参加者は驚きます。そしてワインをより楽しめるだけでなく、上質なコミュニケーションが促進されることでしょう。ワンランク上の会をあなた自身が演出することになるのです。」

えてして農業者は、売り手として論理や商品自体に目が行きがちです。そこから離れて、お客さんの心の中に飛び込むことが大切です。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年には新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞。
2016年より中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナーとしても活動中。

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