今まで取り逃がしていたお客さんを取り込む方法

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先日のブログで、加工品の商品カテゴリーを変えることにより、高価格帯で販売することが可能になった話をしました。そしてその方法として、商品名を変えてしまう手法をご紹介しました。

僕はかつてブドウ農園で働いていて、6次化商品である「半生レーズン」を売り歩いていました。半生レーズンとは、カラカラの干しブドウではなく、比較的水分量を多く含んだ干しブドウです。

僕の感覚では、日本人の20人に一人はレーズン嫌いです。強烈な拒否反応を示す人もいます。中には「食べたら気を失います。」というレベルの人もいます。この読者の中にも「レーズンだけは食べられない!」という方が間違いなくいることでしょう。フフフ。

今日は、半生レーズンの商品名を色々変えてみることにより、レーズン嫌いのお客さんの反応がどのように変化するかをお伝えします。これはかなり興味深い内容です。(軽井沢で定期的に行われているマルシェで、販売しながら実験した結果です。)

「半生レーズン」の場合

商品を発売した当初は「半生レーズン」や「半生干しブドウ」という商品名で販売していました。

お客さんに「半生レーズンいかがですか?」というと、レーズン嫌いの人からは徹底的に嫌な顔をされます。イメージしただけで不快になってしまうようです。もちろん買ってもらえるはずもありません。

「セミドライ葡萄」の場合

次に「セミドライ葡萄」という商品名で売ってみました。この名前だと、瞬間的にレーズンをイメージできない人がいるようで、レーズン嫌いの方が試食に手を伸ばしてくれることがありました。食べたら食べたで意外とおいしかったと言ってくれます。

でも「ドライ」という言葉から、ドライフルーツやレーズンを想像してしまう人がいて、やはり試食段階で拒否されてしまうケースがほとんどでした。

「半生葡萄」の場合

最後につけた名前は「半生葡萄」です。この名前であれば干しブドウ色が限りなく消えています。パッと聞いても、なんのこっちゃ、なのです。この商品名で販売したとき、マルシェでのお客さんとの典型的な会話は次のようになりました。

僕:「半生葡萄のご試食いかがですか?」

お客さん:「いただきます。あ、美味しいですね。ところで半生葡萄ってなんですか?」

僕:「生ブドウの濃厚さを向上させるため、ほんのわずかに乾燥を加えた商品です。レーズンと呼ぶ人もいます・・・」

お客さん:「え!?レーズン・・・。私、実はレーズン食べられないんです。20年ぶりに食べちゃった。意外と美味しかったです!」

僕:「おめでとうございます!これで好き嫌いを一つ克服できましたね。」

今まで取り逃がしていたお客さんを獲得

レーズン嫌いの人は、輸入物のレーズンを食べて嫌いになった人が多いようです。不快な後味が残るとのこと。これはコーティング油の酸化や、原料となるブドウの品質が影響しているものと思われます。国産原料で無添加で作られたものとは、まるで別物なのです。

しかしレーズンを一度嫌いになった人は国産品に対しても、無意識に拒絶反応を起こします。試食すらしてもらえません。国産レーズンを販売している身からすると、多くのお客さんを取り逃がしている訳です。

人は舌で味わうのではなく、頭のなかの過去記憶で味わっています(というのが僕の持論)。だから、過去の嫌な記憶を呼び起こさないようにする売り方が有効なわけです。より多くのお客さんにアプローチできるようになります。

あなたが販売している加工品のネーミングも一度見直してみては?

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年には新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞。
2016年より中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナーとしても活動中。

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