3つの機能を話す前に、そもそも、マーケティングとは何かについて、一言触れる必要があると思います(信州人は、やっぱり理屈っぽい)。
私が実践してきた感覚から、チョ~( =この間、引退したレジェンドのK水泳選手を惜しんで使いたい言葉)簡潔にワンフレーズで言います。
ずばり・・「売れる仕組みづくり」です。
この定義が私には一番すっきりきます(そうでない方は、ここはあまり気にしないで結構です、準備段階なので)。
その仕組みを作るには、何に着目すればいいのか。
今は古典になっている米国のマーケティング学者・マッカーシーが1961年に提唱した4Pです。(マッカーサーではありません!念のため)
4Pとは何か。
Product、Price、Place、 Promotionの4つの要素で、マーケティングミックスとして戦略を構築するのに使われます。
県は、この民間の個々の経済主体が行う4つの要素のうち、主に3つの要素が発揮できるよう支援します。これを県が担うマーケティングの3つの機能と呼びます(学術用語ではありません。私の整理によるものです)。
一つ目は、なんでしょう?
「市場調査」です。
製品(Product)開発や生産者等にかかる支援です。
農産物マーケティングでの製品とは、生鮮品であり、新しい品種開発・育成です。品種開発には多くの時間と資金を必要とすることから、公的な県が税金で行うのが最も効果的で、各種の農産物試験場で開発を進めています。
その開発には、昨今,盛んに言われている「マーケットイン」の発想重視の立場から、初期動作として消費者のニーズやウォンツを調べる市場調査が重要です。
市場調査は、中小企業が単独では取組めないもので、本県の個別品種の認知度や、競合県品種との比較、今後どんな品目・品種が好まれるか、インタビューを含め、把握し、開発者や生産者に情報提供します。
この市場をどう把握するかは、顧客をセグメントする関係上、大変重要ですが、別にしっかり思うところを述べたいと思います。
一つだけ、あえて触れると、”差をどう捉えるか”がポイントです。調査結果で、45%と40%は大した差ではないと解釈するか、ある観点から大きな差と位置づけるかで、顧客の市場や開発方針は違ってきます。要するに「解釈」の仕方です。コンサルタントは、ここが腕の見せ所
かさねて言いましょう。
調査とは、「眺差」のことだと思います。
差を眺める、それも俯瞰的に。そして新たな解釈=仮説を設定することです。
この調査情報は、県が公表しているものが多く、あるいは、尋ねれば教えてくれるものが少なからずあります。
県のHPを頻繁に見ていて情報収集し、「商売に役立」たせましょう!
こういう、情報を取りに行く姿勢が欠かせません。
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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