価格が安すぎる農作物や6次産業化商品

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最近、コンサルティングをやっていて、生産者さんから一番多い質問が「価格の設定方法」です。複数の方から、同じような相談を受けます。

あなたが6次産業化に取り組んでいるなら、1度や2度は、「この商品をいくらにしよう・・・」と悩んだことがあるはず。僕もむっちゃ悩んでました。

青果の販売でも同じです。JAに卸していて、相手側が価格を決めているうちは良いのです。でも直接販売を始めると、突如としてこの課題にぶち当たります。

価格設定の話しをしだすと、このブログだけでは語りきれないのですが、あなたにできるだけそのエッセンスをお伝えしたいと思います。

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まず一般的に、農業者がつける値段は安すぎます。

大手なら薄利多売でもやっていけます。でもこだわり少量生産の農業者が、安い値段をつけていたら、長期的にビジネスを続けることは困難です。

小規模事業者が薄利多売(正しくは薄利少売と言うべきか・・・)で商売をすると、最初のうちはお客さんが喜んでくれます。正確にいうと、喜んでいるように見えます。マルシェで店頭販売していると、隣の店舗からこんな会話が聞こえてきます。

「ま~、こんなに新鮮でおいしい野菜を東京で買ったら、3倍の値段がするわ。どうもありがとう!」

販売している人は、なんとなくサービス精神旺盛な印象です。お客さんにありがとうと言ってもらえたら、悪い気はしませんよね。

でも長期的にはどうでしょうか。

薄利=すなわち利益があまりでないのです。利益がでないと、そのしわ寄せが異なるところから吹き出します。社内で必要以上のコスト削減を強いられます。従業員の給料を減らすことになるかもしれません。品質チェックが疎かになるかもしれません。薄利の影響は、最初は社内に現れます。

そのあとは・・・・

そう、あなたの想像どおり、巡り巡って、お客さん側にしわ寄せがいきます。顧客サービスレベルが落ちるからです。そうなれば、顧客満足度が下がります。悪循環に陥るわけです。

適切な価格をつけるのは、何もあなたのためだけではありません。お客さんのためなのです。

6次産業化商品の場合はなおさらです。原料にこだわり、製法にこだわり、季節にこだわった商品であれば、相応の価格を設定しなければなりません。

ではなぜ農業者は安売りをしてしまうのでしょうか?

それは自分の価値基準で商品に値段をつけてしまうからです。「こんなに高い値段をつけたら、お客さんは買ってくれないはず・・・」と思い込んでいるのです。商品を買うのは、あなたではありません。お客さんです。あなたの価値基準は、当てはまりません。あなたが思っている以上に、お客さんには購買力があります。

考えてみてください。必要であれば人は自動車でも、家でも買います。ローンを組んででも買います。価値を感じるものに対しては、間違いなくお金を出すのです。

農業者にとって、より身近な例をあげましょう。

通常ブドウは、スーパーで一房数百円で買えます。でも贈答用のブドウは、数千円です。また東京の某百貨店では、一房数万円で売られています。

またその百貨店ではブドウ一粒が2000円で売られています。一房ではないです。一粒ですよ!一粒がちょこんと綺麗な箱にはいって、売られているのです。

高いブドウは、安いブドウの100倍以上の値がつきます。

では、あなたに質問です。高い葡萄にかかる栽培手間は、100倍でしょうか?

そんなことはないはずです。確かに手間暇はかかっているでしょうが、コスト100倍ということはないはずです。

ではなぜ価格にここまで差があるのか?

それは、しかるべきターゲットのお客さんに、商品の価値をしっかり伝えているからです。商品の価値を適切に伝えて、お客さんがそれに納得してくれるから、購入につながるのです。

価格には、とても柔軟性があります。
もし日本のブドウを香港やシンガポールにもっていけば、もっと高値がつきます。僕自身、シンガポールに巨峰の干しブドウを売り込みに行ったときは、唖然とする値段が付きました。(海外編はまた別の機会に!)

農業者にとって、価格に対する自分の思い込みを捨てることが、まずは第一歩となります。では、具体的にどうやって値段をつけるのか?

次回に続く~。

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。Web制作やコンテンツ制作の評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年より日本食糧新聞社 特派員としても活動中
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