あなたはどのくらい行政のサポートを活用していますか?
行政のサポートといっても、上手くお金(補助金)を引き出すとかそういう話ではありません。もっと実務に近いところの話です。
行政のサポートって、実はとても手厚いことを、知らない生産者さんが多いです。
例えば、6次産業化に取り組むと、自分で販路を見つけなければなりません。また展示商談会に出展するときは、事前に事務的な資料を作らなければなりません。分からないことが多く、時間も取られます。
上手く使ってしまう
農業者のあなたが「まったくお役人は、何もやってくれない!」と不平不満を言っていても何も始まりません。あなたが政治家にでもなって、行政を変える意思があるなら別ですが・・・
そんな不平不満を言っている暇があれば、上手く使ってしまうことを考えてください。(行政そのものではなく、委託業者の場合もありますが、ここではまとめて行政という言葉に統一します。)
では、すごい秘密をお教えしましょう。僕がどのくら行政を活用していたかです。
冒頭でも述べましたが、6次産業化に取り組むとやることが膨大に増えます。分からないことが多いので、悩むことも多いです。
・う~ん、この資料はどうやって作ればよいのだろうか?
・この加工技術をどうやって身に着けたらよいのだろうか?
・販売先をダイレクトに探したい・・・
・補助金報告書の書き方が、難解すぎてよく分からない・・・
・忙しすぎて、今度の商談会用の申込書を作れていない・・・
こんな悩みは、行政の担当者に電話したら、一発で解決します。
サポートは多岐に及ぶ・・・
悩んでいる時間ってもったいないんです。僕の場合は、直ぐに行政の担当者に電話して、聞いていました。しかも納得するまで粘っこく聞き倒します。場合によっては担当者の携帯に電話して、売り先を紹介してもらいました。行政の方って、ネットワークが広いので、いろんなバイヤーを知っていたりします。
また補助金の報告書作成も、担当機関に電話して聞きまくっていました。補助金報告書って、当初たてた事業計画から、離れていくことがよくあります。経営は生き物ですから、補助金を貰ったときの計画書と、今やっていることが離れていってしまうのです。
でも報告書では、過去の計画に縛られます。5年間の報告義務があるので、これが形式的な作文になっていきます。
僕はこれが嫌だったので、担当機関に電話して、この状況を正直に相談していました。そして、作り話の報告書ではなく、現在の事業展開に合わせた、意味のある報告書を作るようにしていました。
そんな相談にも行政はのってくれます。
また展示商談会に出展するときの事前資料作成。これも分かりにくい資料があるので、行政担当者に電話をして、その場で教えてもらいながら書いていました。
海外出張中で時間がなくテンパっていたときは、展示会担当者に資料の大枠を作ってもらいました。とても助かったことを今でも覚えています。
生産者が行動して聞く意識
行政のサポートは待っていては降りてきません。こちらから働きかけると、個別担当者が手厚いサポートをしてくれます。行政に対して、不平不満を言っている生産者が多いのですが、はたから見ていてもったいないな~と思います。
行政担当者も人間ですから、ネチネチ不満を言う人に対して、柔軟なサポートをしたいとは思わないはずです。(一瞬、相手を動かすには、強い言葉が有効ですが、長期的には動いてくれませんよ。)
ただし、手厚いサポートが欲しいといっても、丸投げはだめです。まずは小さく自分で行動してみて、分からないことや課題を見つけてください。それを行政に質問して、その先のサポートを引き出すのです。
もう一つ注意点として、行政のなかのキーパーソンを見つけることも大切です。実務感覚のある人を見つけてください。他業界からの転身してきた人の場合が多いです。どの都道府県にも、何人かはいるはずです。
その人に、問い合わせせてみてください。情報とサポートを引き出してください。
嫌がられても、笑顔で粘っこく!
-田中良介
この記事を書いた人

- 世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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