商談会のつづき・・・

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前回、生産者や実需者が商談会後行動を起こしていないことを書きましたが、受けて田中良介さんがブログで「なぜ行動しないのか」を深掘りしてくれました。
せっかくなので、3月まで商談会を企画・運営していた私が、商談会に立ち会って気づいた他の3点を補足します。

第一点「メモする」ことが次につながる

まず、一つの商談の時間が15分~20分と短く、一日のうちで5回以上こなすということが起こります。または、展示型では名刺交換を多くの方としています。
それぞれの方と話した内容をどう整理するかが重要ですが、次のアクションに向けメモをしっかり取っている人は、見ている限り多くはありません。
そもそもビジネスで相手とやり取りする場合、「メモする」のは当たり前ですが、商談会という場で見る限り、せわしく動いているせいか、「会うー説明するー質問を聞き答えるー繰り返し」でハイ・タイムリミットとなります。だからこそ、商談会中に、今後連絡する事項を確認して終えることが必要ですが、その際メモしておくのは基本です。
⇒ここでの学びは、「メモる」をして、記憶に留める(メモりー)。しないとうまくいかず、
逆に「モメる」ことになる。

第二点「出店者同士の情報交換」が付加価値につながる

これは、展示型商談会の場合ですが、お客様との話が途絶えたところで、または休憩タイムで他のブースを見て回り、どんな品揃えや展示方法(パンフレットを含め)か、接客態度も見つつ、実際に話をしてみることです。こういう商品をこのように並べて、こう説明しお客様に関心を持ってもらうのか、肌で学び合います。
沢山の立派な理由のある今日参加しない出店者に対し、何かを犠牲にしてでもここに参加した方々はご縁でつながっています。共通の悩みや解決方法を気楽に話しあえるでしょう。
⇒ここでの学びは、ご縁のある方たちとの情報(じょうほう)交換で業績アップの上方(じょうほう)志向へ

第三点「アンケート調査」は活かしてナンボ

このことは、主催する行政機関等自らのことです。成果や課題をつかみ、次回につなげる目的で、生産者や実需者にアンケート調査を実施する場合があります。
しっかり記入してもらうには一定期間が必要で、回収までに時間がかかることから、結果を当事者にフィードバックする時点で鮮度が落ちてしまいがちです。
商談会は実施するのにコストがかかることから、成果である成約件数を増やしたいのですが、主催者側もスケジュールに追われ、アンケート結果から見えた商談会の改善を十分行っているとは言えません。途中経過でもフィードバックして、活かしてもらうことです。
⇒ここでの学びは、アンケート調査を活かすには、鮮度を考えタイムリーに青果物を成果物に!

以上ですが、前にも書いた通り、
商談会で成果を出している事業者は大勢います。
商談会後すぐ手紙を出し、課題への提案をし成約。サンプルをすぐ送り実需者店舗に好評で産地見学につながり成約。また、生産者がサンプルを直接お店に持参し関係構築でき成約。商談した野菜品目は駄目だったが、以外の品目を提案し新たに作付け実現。実需者の求める果物品目よりも、より加工用途にあう別の品目を提案し成約・・・などなど。
そこには、生産者や実需者(バイヤー)が真剣に交渉し、あらゆる手段を用いても実現していくという「執念」の姿があります。

⇒本日のまとめは、成約に制約なし。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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