イタリア式バイヤーの口説き方

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フィリピン マニラより・・・

SIAL Manilaという展示商談会に、バイヤーとして参加しています。

成長市場であるフィリピンのマーケティング調査を兼ての参加です。また日本の農産物や6次化商品の、海外展開の可能性を独自視点でリサーチしております。

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フィリピン、台湾、中国、イタリア、アメリカ、イギリス、ドイツの人たちと英語で商談中。けっこう真剣勝負です。

一つの商談は5分ですが、日本のように厳密でなく、議論が盛り上がれば、20分になるケースもあります。そして誰と商談するかも、その場の目くばせで決まります。相撲の立ち合い(?)みたいな感じです。さらに話が盛り上がれば、別途時間を設けて1時間ほど商談します。柔軟ですね~。

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せっかくマニラまで来て商談をするからには、各国のグローバルな攻め方を知ってやろうとひたすら数をこなしております。ここまでのところ、2日間で約50件の商談をこなしました。グローバル商談を知っておくことは、日本から海外へ攻め入るときにも役に立つからです。

イタリア人の商談の進め方とは・・・

バイヤーとして、ひときわ心が揺らいだ商談がありました。それは、とあるイタリア人と商談をしたときです。イタリア北部で、家族でワイナリーを経営している男性でした。一通り商品の説明してもらって、僕からの質問に答えてくれたあと、

彼からこんなことを言われました。

日本の信頼できるパートナーを探している。過去にも日本で自社ワインを販売したことがあったが、今はできていない。一緒にこの問題の解決策を探してほしい。もしあなたがこのワインが本当に良いと思うなら、パートナーになってほしい。私は必要な情報を全部与えます。

でも取引をするかはあなたが決めてください。私は押し売りはしたくありません。もしあなたが日本での販売パートナーになってくれるなら、一緒に成長していきたい。そんな関係になりたいです。

こんな感じです。

ほかのサプライヤーとは全く異なる攻め方をしてきました。分かりますか?この攻め方をされたとき、僕の心は超揺らぎました。このワインを日本で展開してみたくなりました。

商談会であなたも使える方法です

日本の生産者さんのために、このイタリア人の商談の組み立て方を解説しましょう。このパターンは国内/国外にかかわらず使えます。

1.まずは情熱的に商品を説明
これは誰でもやることですが、さすがラテン系。自分の商品を情熱的に伝えます。自分の商品を愛しきっています。ここがスタート地点。でも、商談はコミュニケーションなので、生産者が話しすぎないこともポイントです。

2.自分の基本的な商売スタンスを提示
このイタリア人の場合は、取引をするのは、人として信用ができ尊敬のできる相手だけであるということでした。まずはここで、やんわり不良バイヤーをはじきます。

3.自分の抱える課題をオープンにする
良いことばかりでなく、問題点も提示します。例えば、販路の問題や販売チャネルの課題などです。

4.その課題を一緒に解決してほしいと訴えかける
ここから相手をググッと巻き込みます。相談をされたら、バイヤーもアドバイスをしたくなりますよね。商品の共同開発の案件に持ち込んでもよいでしょう。

5.決めるのはバイヤーであるあなただと突き放す
バイヤーが前のめりになってきたところで、自分は押し売りをしないことを伝えます。あくまでもバイヤーさん、あなたの判断で決断してくださいと突き放します。最終的にはバイヤーが決断することは当然といえば当然なのですが、バイヤーとしては、「あれ?」と思います。そして、さらにその商品を欲しくなってしまいます。

6.もし買ってくれるのであれば、一緒に成長したいことを伝える
お互い足りない部分があっても、ともに問題を解決していきましょう、と最後に改めて誠意を見せます。

このリサーチレポートを読んで、「細か!」と引いてしまった方、すみません。僕は、現場大好きなものですから、ご容赦を。(現場視点のミクロマーケティングが、弊社の特徴です。)

日本の生産者も、このくらいの勢いでバイヤーを翻弄してよいと思います。この流れであれば、バイヤーとの関係は対等になります。

ただし、商品レベルが高いことと、相手を尊重する姿勢は、最低限必要な条件です。上っ面の営業テクニックはすぐに見抜かれますから。念のため。

-田中良介

追伸1
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追伸2
このSIALという展示商談会は、フランス見本市協会が主催しています。世界各国で商談が開かれています。SIALマニラには日本の和牛も出展されていました。10月にはパリで、11月にはジャカルタで開催されます。必見です。

SIAL ASIA

フランス見本市協会

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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