週末に2016信州ワインサミットin松本に立ち寄ってきました。
ワイン関係の仕事もしているので、長野ワインの最新の動向を見ておこうということです。
新しいブランドがいろいろ出てきていました。出展者すべてがワイナリーというわけではありません。自分のヴァインヤード(ワイン葡萄園)で栽培したブドウを、ワイナリーに委託醸造することによって、自社ワインとしているブランドも数多くあります。
38ワイナリー&111銘柄の競演です。
長野ワインはすごい勢いで進化しています。
以下の写真のようなブースにワインがずらっと陳列してあります。そこに並んで自分の好きなワインをオーダーするシステムです。安いものでは一杯300円から飲めます。
飲んだことのない銘柄をメインに、ある程度テイスティングして、ホテルへ戻ろうとしました。
そのとき「ワインいかがですか?」という声が聞こえました。
振り返ると、カートをガラガラ押して、ワインを販売して回っているスタッフの方がいました。「この銘柄は初出店ですが人気があります。一杯いかがですか?」と言うのです。僕もそういわれたら飲みたくなってしまいます。そして思わずもう一杯購入しました。
そのあと、ワインを飲みながら、そのスタッフの動きを何となく観ていました。そのスタッフはカートを押しながら、参加者の中をグルグル回って、売りまくっていました。
「いかがですか?」の力
店員が向こうからやってきて、「いかがですか?」と言われると、思わず買ってしまうことがあります。なにもワインに限ったことではありません。フリーマーケットでも保育園のバザーでも同じです。
あなたの農作物や6次化商品を販売する一番簡単で、一番コストのかからない方法は、お客さんのところに出向いて「いかがですか?」というだけです。手段は、対面でも電話でもFaxでもメールでも良いです。
僕も農業法人で働いていたとき、全国の飲食店さんに商品紹介のFaxを送りつけていました。「送りつけている」と表現したのは、当初は何となく押しつけがましいような気がしていたからです。しかし実際は飲食店の方からお礼をもらったことがあります。「珍しい商品をいつも紹介してくれてありがとうございます。ぜひ購入させてただきます!」って。
田舎過疎地の市町村の方から、どうやって農産物のPRをすればよいですか?と質問を受けることもあります。もちろん、その村や特産品を紹介するイベントを開催したり、展示商談会に積極的に出展するのも手です。
しかし一番手軽でコストがかからない方法は、同じくFaxや電話をしてみることです。そして「珍しい特徴のあるxxx野菜なのですが、試しにいかがですか?」というだけです。相手のニーズを把握し、お客さんとつながる最初の一歩としてはこの方法がお勧めです。(もちろんその先、出荷量を増やして安定供給するためには、次のステップがあります。)
相手のニーズを確認する手段
少量の農産物はそんなに高いものではありません。お客さんも気軽に購入することができます。そこで気に入ってもらえれば、次のステップに進むことができます。
これをセミナーでお話ししたときに受けた質問がありますので補足します。それは押し売りにならないか?ということです。大丈夫です。「いかがですか?」は押し売りになりませんので、安心してください!
「いかがですか?」は相手のニーズを確認しているだけです。相手が欲しいと思っているかの確認です。
相手が興味を持ってくれた場合は、さらに突っ込んだん商品紹介をします。
相手が必要としていない場合は、そこでお終いです。簡単でしょう?
-田中良介
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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