うちは規格外品を取り扱っておりませんが、なにか?

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農業法人で働いていたとき、よくこんな注文を受けました。

「規格外品で良いので、おねがいします。」

この注文がくるのには背景があります。それは以下の都市伝説(?)が、まことしやかに信じられているからです。

農家は規格外品の売り先に困っており、場合によっては丹精込めて育てた作物を捨てている。だから、その規格外品を買ってあげることは社会貢献である。しかも規格外品は価格も安いので、農家と消費者がWin-Winになれる。

えーとですね。農家は規格外品を作ろうと思って作っているわけではありません。規格外品だけ別枠対応するのは、結構手間がかかります。最初から規格外狙いで注文されると、ムカムカムッカー、ドッカーン!!ということになります。

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僕が取っていた冷たーい対応

規格外品の注文がきたとき、昔は僕も馬鹿正直に対応してあげていました。しかしこれをしていると、逆に時間をとられてしまいます。規格外品だけを別枠で取っておかなければなりません。お届け日指定があれば、そこまでに規格外品を貯えなければなりません。

農園スタッフや加工を担当してくれている人にも、負荷がかかってしまいます。

あー、もう、こんなことやってられへん!

そんなこんなで、規格外品の注文に対して、あるころから僕の対応は、丁重かつ冷たーいものになっていきました。(根は温かい人間なんですよ!)

「規格外品の安定供給はできません。規格外品はあくまで規格外なので、いつどのタイミングで、どのくらいの量が出てくるか分かりません。だから数量と日時の指定はできません。こちらのタイミングで送りつけさせていただきますが、よろしいでしょうか?」

と言ってみたり、

「規格外が出てきたときは、いつも正規品を買ってくれているお客様へ優先的にご案内しております。あなたもまずは正規品を買ってみてはいかがですか?」

挙句の果てには、

「弊社には規格外品というものがありません。形や色合いが悪くても、味がいいのですべて正規品です。なにかご不満でも?」

なんという冷たい対応だ・・・。
と我ながら思うのですが、事実だから仕方ありません。

小規模農家だからこそ毅然とした態度を

もちろん、大規模農家であれば一定割合の規格外品を見込めるかもしれません。それはそれで販売の仕方があると思います。

しかしあなたが小規模農家の場合、規格外品の販売には慎重にならなければなりません。6次化商品の場合でも同じです。

いい顔をして、規格外品をお客さんの言いなりに販売してはいけません。それは間違ったメッセージをお客さんに伝えることになります。あなたが一度でもそれをしたら、それはなかったことにはできません。なかなか対応を変えることはできません。

もしお客さんからの規格外品注文に丁寧に対応していたら、あなたはあなたの首を絞めることになります。そのお客さんために、規格外品をわざわざ確保しておかなけれなりません。逆に手間(=コスト)がかかります。しかも安い値段で販売していたら、元も子もないですよね。

僕はこんな農家の現実をお客さんに伝えるようにしていました。ムッとして二度と注文をくれないお客さんもいました。しかし、はなから規格外品狙いのお客さんには、毅然とした態度で接しなければなりません。

僕の経験上、結果として、優良なお客さんだけが残ります。僕のお客さんたちは、形の悪いものでも、味が良ければしっかり正規の値段を払ってくれました。農家として、とてもうれしいことです。

商売のやり方として、これが最善か分かりません。賛否両論あると思います。
しかしあなたが小規模農家で、時間にもリソースにもゆとりがない場合、以下のどちらかをお勧めします。(実践者としてのアドバイスです。)

・正規品を買ってくれているお客さんにだけ、規格外品を出す。
・そもそも規格外品はないという態度を貫く。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年には新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞。
2016年より中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナーとしても活動中。

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