2回に渡りターゲット顧客設定についてお話ししてきましたが・・・
申し訳ございません。大切なことを言い忘れていました。
あなたがどれだけ正しいターゲット顧客を設定しても、それが社内共有されていなければ、絵に描いた餅です。今日は、あなたの考えをどうやって社内に浸透させるかをご説明いたします。
まずは一般的な方法
ターゲット顧客の詳細を紙に書き出し、社内で共有します。
社長やリーダークラスの人が、社員に説明します。うちの会社は誰に対して貢献していくのかを伝えます。
商品開発を考えるときには、必ずだれ向けの開発かを再確認します。販売戦略を考えるときも、だれに対して売るのかを改めてチェックします。展示商談会を効果的に進めるためにも、そのターゲット顧客を意識した手法をとります。
そうすることによって、的が絞られます。社内議論も円滑に進みます。これが一般的な会社がとる方法です。この方法で上手くことが運ぶ場合は、推し進めてください。
スタッフからの反発が・・・
ただし、強制されているように社員が感じると、うまく進まなくなってしまいます。上から押し付けられたことを、十分に意味を理解できず、いやいや進めた経験があなたもありませんか?お勤め経験のある人は分かるでしょう。
社員によっては、ターゲット顧客という言葉自体が???なこともあるでしょう。
強引に推し進めると、逆効果になることがあります・・・
お客さん向けのメッセージを、社内展開する
もっと良い方法をお教えしましょう。
僕はお客さん向けに、メルマガ、ニュースレター、ダイレクトメールを定期的に書いていました。
お客さんにメルマガを送るのと同時に、社員にも送っていました。また僕が作ったダイレクトメール原稿の校正を、その他のスタッフにお願いしていました。
それにより、お客さん像やお客さん向けのメッセージについて、社内共有を図っていました。
スタッフは、ターゲット顧客へ向けてさまざまな角度から語られた文章に目をすることになります。また文章校正を通して、仕事の一環としてメッセージを読むことになります。
このやり方は押しつけがましさがないので、じわじわと会社を変えていくのに効果的です。言い方は悪いのですが、徐々に良い方向へ洗脳していくことができます。
メルマガもダイレクトメールも本来はお客さんへ価値を届けるための取り組みです。しかし同時に、社員意識を高めるためのマネジメントツールとしても使えるわけです。
その効果は絶大
結果として、社内の方向性が一致していきます。電話対応を一つとっても、各自が適切な対応をできるようになります。僕がいちいちああしろこうしろと言わなくても、意図した通りに動いてくれます。(もちろん全員ではないです。ここから先は、もっとマネジメントのテクニックも必要です!)
あまりにも僕が意図した通りに動いてくれるスタッフがいたので、自分の頭の中を読み取られているのではないかと、本気で疑ったことがあるくらいでした。(笑)
社員が動いてくれない、社内教育のやり方が分からないとお悩みの方は、この方法をぜひお試しください。
-田中良介
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
この投稿者の最近の記事
【田中良介】2018.07.17国際線での大騒動
【田中良介】2018.06.16これからの商品開発のヒント
【田中良介】2018.06.12サラダチキンが伝わらない!?
【田中良介】2018.05.31境界線が曖昧になってきている!