あ、しまった、また忘れ物だ・・・
濡れティッシュもあったほうが良かった。
大きなポリ袋も必要だった。
展示商談会にまだ慣れていなかったとき、僕はいつもこんな感じでした。
持っていくもの/持っていったほうが良いものがなかなか分かりませんでした。会場に着いてから、忘れ物に気づくことも多々ありました。
あなたも同じような経験があるのではないでしょうか?
慣れていない生産者にとって、展示会の準備は意外と難易度が高いんです。この準備次第で、成果や成約率が大きく変わります。だから準備をあなどってはいけません。
慣れれば、スムーズに準備ができるようになりますが、初心者のうちは一定のルールに従って準備をすることをお勧めします。
僕が実際やっていた方法をご紹介します。様々なタイプの展示商談会で応用がきくやり方です。
時間軸で考える
展示会の流れを時間軸で考えてみます。大きな流れは以下のようになります。
1.会場入りして準備する。
2.バイヤーさんに商品PR(商談)する。
3.会場から撤収する。
「1. 会場入りして準備する」ためには何が必要でしょうか?ここをさらに分解します。
例えば、
1-1. 車で搬入する。
1-2. 受付で入館許可の記帳をする。
1-3. 台車で荷物を会場まで運ぶ。
1-4. 自分のブースを探す。
1-5. 商品を並べる。
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これだけでも必要なものが分かりますよね。まず台車が必要です。入館するためには、おそらく名刺など身分証明書の提示が求められます。主催者から事前に送られてきた、出展者カードが必要な場合もあるでしょう。
搬入した箱を効率よく開封していくためには、カッターもあったほうが良いでしょう。はがしたガムテープなどのゴミを捨てる、ゴミ袋も必要ですね。
まずは大きな時間軸を考えて、それをさらにブレイクダウンするのが基本です。
「バイヤーさんに商品PRする」をさらに時間軸で分解
ここが一番重要なところです。これをさらに分解してみましょう。
2-1. バイヤーをブースに呼び込む。
2-2. 商品をPRする。
2-3. フォローアップにつなげる。
バイヤーをブースに呼び込むためには何が必要でしょうか?パッと目を引くものが必要ですよね。大きめのポスターや、のぼりなどです。ポスターを壁に引っ掛けるためには、フックが必要になります。
声で呼び込むための、営業トーク台本もあったほうが良いでしょう。
「2-2. 商品をPRする」には何が必要だと思いますか?ここをさらに分解してみましょう。
2-2-1. 試食してもらう。
2-2-2. パンフレットやFCPシートを渡す。
2-2-3. 食べ方提案をする。
2-2-4. お客さんの声を提示する。
などが考えられます。また「2-2-1. 試食してもらう」をさらに分解すると、
2-2-1-1. バイヤーさんが食べやすように、サンプルをカットしておく。
2-2-1-2. バイヤーさんが爪楊枝を使って試食する。
2-2-1-3. 爪楊枝などのゴミを捨てる。
2-2-1-4. 手が汚れたら濡れティッシュでふく。
あらあら不思議。必要な準備が、初心者のあなたにも分かり始めましたよね。こうやって大きいところから分解していくと、抜け漏れがなくなります。
「フォローアップにつなげる」を分解
展示会後のスムーズなフォローアップを実現するためには、会場で何をやっておくべきでしょうか?これも時間軸で考えてみましょう。
2-3-1. 名刺を交換する。
2-3-2. バイヤーさんの要望や疑問点をヒヤリングする。
2-3-3. メモを取る。
2-3-4. とったメモがまぎれないように整理する。
メモ帳やポストイットが必要なことが分かります。ホチキスやクリップもあったほうが良いでしょう。バイヤーさんに質問する項目をリストアップしておけば、さらにGoodです。
階層構造で表現する
どんどんブレイクダウンしていくと、階層構造になります。上は文章で表現しているのでちょっと分かりにくかったかもしれません。
階層構造を簡単に作るためのツールを紹介しておきます。僕はいつもFreemindという無料のツールを使っています。もともとはマインドマップのためのものなのですが、展示商談会の準備用に使えます。使いかたも簡単で、サクサク動くツールです。
Freemindツール
https://osdn.jp/projects/freemind/
※例えば、このような階層構造が簡単に作れます。
御社だけの出展準備マニュアルのできあがり!
分解の仕方は商品や展示商談会によって変わります。だからあなたなりに考えてみることが大切です。
こうやって分解しても、やはり忘れ物が出ることは当然あります。その経験を階層構造に反映していきます。改善を繰り返すわけです。
いずれそれがノウハウとしてあなたの資産になります。新人スタッフでも準備ができるようになります。
-田中良介
この記事を書いた人

- 世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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