再びドラッカーで直売所を考える②

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前回のブログ①で、この直売所を運営する企業(株式会社)の【事業定義】を、少し長いですが以下のように想定してみました(あくまで私がもらった資料等から整理してみたものです、ご了解ください)。

「地域で新鮮・安心安全な農産物を作る顔の見える生産者と、食の楽しさを求める消費者が出会う場を提供し、両者の健康と幸せを守るお手伝いをする事業」

そして、【顔の見える生産者】として全員の似顔絵を直売所に掲示していることを述べました。ここで、少し付け足します。

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【消費者が求めているものを作る】

事業定義として、消費者の健康と幸せを守るお手伝いをあげていますが、消費者の求めている健康と幸せをどう見せるか、アピールするかです。

【I駅長】ここの生産者は、消費者の求める栄養・健康志向の農産物や加工品を作っている、
というメッセージを発信しています。

ナルホド、各農産物の栄養成分や機能など、細かく表示し、「体の不調に効く野菜リスト」なども掲示されていました。

不調に聞く野菜リスト

また、生産者が製造したジュースやジャムのラベルを自ら作る(写真、イラストは自ら考え希望者にはラベルの形にして支援というスタイルを貫いていることです。

【私】このマイラベルは、農家に負荷がかかりませんか。
【I駅長】マイラベルは農家に自ら売る感覚を持ってもらい、考えることの重要性を身に着け
て欲しい
からです。負荷とは思っていないでしょう。
【私】こんなに種類があると、お客様は迷いませんか・・・
【I駅長】イヤ、皆さん、買い物が楽しいと言ってくれますよ。

ジャムの棚

I駅長が考える消費者が求めているものとは、一つ一つの商品の新鮮・安全・安心はもちろん、直売所がスーパーや市場にはない楽しく買い物できる空間の提供です。種々の色鮮やかなラベルが並んでいると、スーパーには無い楽しく面白い売り場になります。欲求は、非日常の場で、ゆっくり選択するという購買行動です。

また、どんな作物を作ってもらうのでしょうか。
I駅長は農家でもあるので、自ら新たな農産物を作ってみて、消費者の立場でこれなら買うというものを生産者に作ってもらうとのこと。最近では、ニンニクとラッキョウを奨めています。まさしくマーケットインの発想です(ただ、I駅長が多くの消費者の思いを代弁できるのか、という疑問がわきますが、納得できる理由を後で述べます)。

さらに、この企業は栽培方法等の技術的な指導のほか、農業者が20品目つくり、1反歩100万円をどう実現するか、という講習をしています。
畑に無駄なものはないという考えを徹底していて、

【I駅長】畑で捨てたり、腐らせてはいけない、全部売り場に持ってくるよう伝えています。

それには、6次産業化での付加価値化が欠かせません。最近では、青とまとジャム、スイカ
糖等が
注目されています。

【消費者に直売所に来てもらうには】

直売所は、農産物や加工品をただ並べて待っていても、消費者は来てくれません。

【私】消費者に、数ある直売所の中から選択してもらうには、どうしたらいいでしょうか。
【I駅長】ズバリ、言いましょう。楽しく買い物をしてもらうためには、味覚イベントや農産
プレ
ゼントが効果的です。  

イベントは、訪問時、写真のスイカ重量当てクイズを行っていました。
直売所はデカいものが売れるし、注目されるとI駅長は言います。なぜか。

スーパーに無いもので、普段流通しない非日常的なものとして産地に近いほうが本物に出会え感動するということではないでしょうか。
このスイカクイズで感じたことがあります。最初の訪問から2日後に再び伺ったのですが、違いに気づきました。9.5キロの小型スイカが参考に置いてあり、投票箱の位置も変わっていました。たぶん、お客様の声を参考に変えたと思います。ドラッカーのいう「顧客との対話」の表れでしょう。

また、農産物のプレゼントというと、抽選で欲しい商品がもらえると考えてしまいますが、この直売所は違います。どう違うか。

【I駅長】プレゼントの農産物は、実際に農場で収穫してもらいます

そうです。1,000円以上の買い物で抽選し、当たったらチケットを渡し、お客様に収穫時に農場に来て収穫してもらうのです。必ず、リピーターになるとのこと。驚きは・・・

【I駅長】体験農場は全部プレゼント用です

体験農場

消費者を面白いイベントや農産物プレゼントで引き付け、その体験を通じて直売所の購買につなげ、顧客化していく企画力・行動力に感心しました。

そして、帰り際、I駅長が最後にぽつりとつぶやいた一言を私は聞き逃しませんでした。

【I駅長】他の直売所は、人を集める努力をしているのでしょうか。

 以上2回にわたり、レポート風に記しましたが、全体のまとめを次回ドラッカーに登場願い試みます。そして、このI駅長(最初は片手以下の報酬で、生産者と消費者をつなげ、アイデアや行動力で成果を出している)とはそもそも何者なのか・・・。
関心のある方は次回をご期待ください(笑)。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川 正之
アグリフード(風土)アドバイザー

長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員。中小企業診断士。

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