JAからのビックリしたプレゼント

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1週間ほど前、個人的に取引しているJAから思わぬプレゼントが届きました(お断りしておきます。私は上田市で仕事をしていますが、当地のJAではありません、住んでいるところのJAです)。

JA担当者がわざわざ車で持ってきてくれました。正確に言うと、私ではなく妻への「誕生日祝い」です。聞けば、年金関係の取引でJAを利用するような意思表示をしたところ、誕生日に祝いを届けにきたそうです。

いくつになっても、誕生日祝いというとプラスの響きがあります。何かなあと、少し期待を胸に直方体の箱を妻と開けました。次の瞬間、私はビックリ、妻は言葉がありません。

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【何が入っていたか】

もったいぶらずに言いましょう。入っていたのは・・・「さば缶3つ」です。
メッセージもなく、ただ「国内産さば水煮」表記の3つの缶が縦列に積みあがり、ひっそりと佇んでいました。どこにでもあるスーパーに売っているもので、この現象を目の当たりにし、どう解釈したらよいか。私が知らないわけがあるのではないか、という探偵にも似た気持ちで、いくつかの問いと、それへの勝手な回答が浮かびました。

さば缶

【その理由を考えてみる】

①農協がなぜ「さば缶」を送るのか②それも個人にとって特別の誕生日祝いで「さば缶」を送るストーリーは何か③3つにしたのはなぜか。

それへの回答は・・・

①農協がなぜ「さば缶」を送るのか 
⇒当JA管内に暮らす山国の方たちは、昔から魚が貴重品であり、その缶詰めはJAが扱う農産物のジュースやジャム等の加工品以上の価値を持ち、送られれば喜ぶというアンケート調査結果がある(にちがいない)。

②それも個人にとって特別の誕生日祝いで「さば缶」を送るストーリーとは何か 
⇒当地域では、60歳以上の方々の誕生日に「さば缶」を送るという珍しい風習が残っている。あるいは、年を取るに従い、調理ができなく、コンビニに通う層は60歳以上が多いことから(これは本当のこと!)、利便性・栄養面から選んだ片手サイズの缶詰めを、担当者がわざわざ車で配達するという誕生日ならではの感動を与えたかった。

③3つにしたのはなぜか 
⇒妻は、退職金・共済・年金でJAを利用しているので、金融の「三缶(さんかん)=三冠」です、という高度なシャレで、高齢者に笑いで元気になって欲しいというホスピタリティの精神を示したかった(JAもやるな)。または、2つは買えるが3つはやはり重く買いにくいという購買行動を知っているので、災害に備えての備蓄にJAが少しは貢献したいという思いから。

【素直に思うこと】

考えていて、少し疲れました。素直に言って、私には「誕生日記念品」という非日常的な日の特別の品を、いつでもどこでも安価で手に入り、かつ農協が扱わないものを、わざわざコストをかけて担当者が持ってくるということが理解できません

代わりに、Aコープの商品券をお願いしますと心でつぶやいてしまいます。タダでもらうのだから、いろいろ言うな、というJA関係者の声も聞こえてきそうです。

しかし、JAとある程度の取引をしている方たちに贈る商品は、それなりの満足を与えるものでないと、かえって不満となります。

【後日談】

実は、このビックリしたプレゼントには後日談があります。
ある所用でJA支所に行く機会があり、ついでに支所長に「誕生日祝い品」のことで、私が感じたことを話しました。支所長は「品物は本所で決めている」と事務的に言うだけでした。

私たち夫婦がどう思うかには関心がないようでした。そこで、JAに勤めていた友人に聞いてみましたが、どの支所でも誕生日祝い品は「さば缶」か「カリントウ」を贈っているとのこと。日持ちがし、安いから大量に購入でき、贈った方には日常的に食べてもらえるからとのこと。

【事業の定義】

ならば、ドラッカーのいうJAの「事業の定義」を仮にこうしてみたらどうでしょう。
JAは地域組合員の安心安全な生活を支援します」とし、普段の活動としてJA職員が一人暮らし高齢者等を日常訪問し、話し相手になり、健康を含め生活を支援する。

その時のお茶菓子として「カリントウ」や、一人で食事できるおかずとして「さば缶」をささやかながらプレゼントする。そうならば、ストーリーはわかる気がします(そのJAは、そうはなっていないのですが)。

JAからの誕生日プレゼントで、いろいろ考えましたが、大きなJAになるほど、一般組合員や利用者の声は遠く薄くなります。そこで、JAではなく、敢えて「農協」と言う意味があると私は思いますが、そのロジックは別の機会に述べたいと思います。

いや、大きくなったJAとは、私みたいにそんなに気難しく考えず、気楽に接した方がいいのかもしれません。そう、プレゼントが示すように、JAはさばさばした存在なのでしょうから(笑)。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川 正之
アグリフード(風土)アドバイザー

長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員。中小企業診断士。

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