展示商談会を成果につなげるヒント

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みかん

先日、ミカン農家さんから相談を受けました。

6次化に取り組んでいる生産者さんでした。商品サンプルを見せてもらいましたが、特徴があり可能性を感じるものでした。

加工品を作ったものの、なかなか販路が広がらないとのことでした。展示商談会にも年に2~3回出て、多くのバイヤーさんとも名刺交換をしており、その名刺バインダーを見せてくれました。商談会後にバイヤーさんにメールを送って、フォローアップもしているとのことでした。

これは6次化に取り組んでいる生産者さんに共通の悩みだと思います。この悩みに対する解決策を書きたいと思います。

バイヤーさんに質問しているか?

これが非常に非常に非常に重要なことです。展示商談会に出展すると、生産者は必至になって自分の商品の説明をします。いかに想いをこめてこだわりをもって作った商品かを、熱心に伝えようとします。

実は、これやってはいけないんです。

自分の商品の説明は、できる限り短くしましょう。もちろん情熱をもって説明すべきなのですが、シンプルにするのが鉄則です。

じゃあ、そのあとは何をするのか?

バイヤーさんのことを聞きます。

・どのような事業をしているのか?
・何年くらいその事業をやっているか?
・どのような商品を取り扱っているのか?
・いま重点的に取り組んでいることはなにか?
・どのようなお客さんをターゲットにしているか?
・いま直面している課題は何か?
・あなたの商品を試食してみて、何が評価できて、何が足りないと思うか?
・もしあなたの商品をそのバイヤーさんに卸すとしたら、そのギャップは何か?何を補わないといけないか?

これらをしっかり聞かなければなりません。バイヤーさんのことを知りましょう。特に相手の悩みと課題を徹底的に深堀りします。

バイヤーさんの悩みにあなたが貢献できることは何か?

深堀りの質問をして相手のことを知ったら、次はあなたが提案する番です。バイヤーさんの悩みや課題を解決するために、あなたが貢献できることは何でしょうか?

すぐに答えは出せないと思います。その提案を、商談後のフォローアップでします。

あなたの商品の内容量が多すぎるのであれば、「小サイズの商品を御社のために製造します。」と言ってみてもよいでしょう。

「パッケージデザインを御社用にカスタマイズする。」という提案も効果的です。

はたまた、「御社店舗で販売しやすいように、新しいリーフレットを作って提供します。」や「年に何回か生産者である私が自ら店頭に立って、試食販売をします。そして御社の販売に協力します。」でもよいと思います。

いずれにせよ商談会でヒヤリングした相手のニーズにしたがって、あなたの商品を提案していくのです。

思いこみの6次産業化にしない

6次産業化に取りくんだ一番最初は、あなた自身の想いから商品を開発したと思います。おそらくお客さんのニーズをほとんど考えることはなかったことでしょう。最初のターゲット顧客はあなた自身であることが多いです。いわゆる、プロダクトアウトの状態です。

それはそれで否定はしません。しかし、いずれお客さんのニーズを取り込まなければならないときがやってきます。ずっと思い込みで商品開発を続けると、市場ニーズとあなたの商品がどんどん離れていきます。たどり着いた先は、だれも必要としない商品になっている可能性があります。

せっかくコストをかけて展示商談会に出展するのであれば、質問をしてバイヤーさんのことをしっかり知りましょう。すべては知ることから始まります。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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