バイヤーは必ずあなたのここを見にくる

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収穫

生産者さんから立て続けに受けた質問があります。先日の記事でも書きましたが、展示商談会後に商売につながらないという悩みです。商談会では好印象であったのに、そのあとが続かないというのです。

さまざまな要因が考えられますが、今日はあなたと一緒にそれを分析してみたいと思います。

もしあなたがバイヤーならどうするか?

次のワークをやってみてください。
もしあなたがバイヤーだったら、という設定です。

あなたは展示商談会で生産者から商品説明を受けました。ちょうど自分の探していた嗜好商品で、味、デザイン共にとても好印象を持ちました。価格については、もう少し安いほうが良いのですが、まずは上司へ提案を上げてみようと思っています。

上司に提案する際には、商品のことだけでなく、その生産者のことや農園のことも情報として持っていきます。どのような人がどのような想いをもって作ったものかも重要だからです。また最近の消費者は品質に厳しく、社会的にもコンプライアンスが求められます。その生産者が納めた商品に問題があったとしても、それを一度仕入れたら、我が社の責任が生じます。生産者の意識レベルもチェックしておきたいものです。

こんな状況であなたはどのような行動をとりますか?

まずはその農園のホームページを確認

ですよね。

まずは手軽に入手できる情報を取りにいくはずです。その農園の商品ラインナップ、オーナー経歴、農園の歴史、その他の取引先など。ホームページに書かれているのは、基本的に差しさわりのない内容です。

では次に何を見に行きますか?

ブログやSNSなど、日々発信されている情報を見にいくはずです。ここの情報は、しっかり作り込まれている訳ではないので、その生産者の素顔が見え隠れします。生産者がポロリと裏話を書いてしまっていることもあります。

あなたはそこをパラパラ読んでみて、この生産者の熱意や誠実さを感じとります。日々のブログのなかで、その生産者の品質向上に対するまっすぐな想いを読み取れれば、なおさら安心ですね。

もしブログが3年前に途切れていたら・・・

ブログが途切れているホームページをよく見かけます。ブログが更新されていないと、潜在的にこの生産者のことに不安を感じます。どのような活動しているのか見えません。商品にかける想い、日々の丁寧な農作業も見えてきません。あなたはバイヤーとして必要な情報を得ることができないのです。

かたや、ブログを定期的に更新し、情報発信をしている生産者がいればどうでしょうか。生き生きした感じが伝わってきます。商品レベルが同等であれば、あなたはどちらの商品を選ぶでしょうか?限られた時間で上司に報告しなければなりませんし、あなたはきっと後者を選ぶはずです。

僕のセミナーでこのワークをすることもあるのですが、皆さんハッと目が覚めたようになります。

バイヤーは必ずあなたを調べに来る

僕は農業法人時代、週1のペースでブログを更新していました。農作業の進み具合や、農園の歴史、スタッフ個人のこと、また失敗談などを、赤裸々に書いていました。まじめに真剣に取り組んでいることをそのまま書いていました。

またスマホで農作業風景を動画でとって、Youtubeで誰でも視聴できるようにしていました。100以上の動画をアップしていました。ここからも農園の特徴が感じ取れるようにしていました。

僕がバイヤーに話していないことを、バイヤーが知っていることがありました。すなわちバイヤーは、さまざまな観点で農園のことを調べている訳です。しっかりブログを読んでいる様子でした。それによって、勝手にうちの農園に好印象を持ってくれていました。

僕のクライアントさんの場合だと、バイヤーがこっそり農園を見に来ていたこともあったようです。また帝国データバンクを通して、あなたの信用取引状況をチェックする場合もあります。

ブログに書かれた情報がきっかけになり、バイヤーさんとの共同商品開発につながったこともありました。

◆◇

これは意外な盲点なのですが、逆の立場、すなわちあなたがバイヤーの気持ちになってみると理解できることです。

バイヤーさんに見せる意味でも、ブログをある程度の頻度で更新することをお勧めします。FacebookなどのSNSは、文字数が少なくライトな感じなので、できればHP内にブログを書きましょう。そのほうが印象が良いです。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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