岐阜県の美濃市で6次産業化のセミナーをしてきました。
10回にわたるカリキュラムを様々な専門家が講師をします。たとえば、㈱バイヤーズガイドの永瀬社長が販路開拓編を担当されています。僕もその中の一部を担当させていただきました。(実は僕の今までやってきた営業手法のいくつかは、永瀬社長に教えてもらったものでもあります!)
僕のセミナーでは、必ず質疑応答の時間をたっぷりとるようにしています。農業者の方が、現場で実践するにあたって、アフターフォローをしてあげることはできません。だから、疑問点をできる限りセミナー内で解決してもらいたいと考えています。
また農業者の悩みを知ることは、僕にとって意味のあることです。悩みが分かれば、その解決策を提示してあげることができるからです。
農業者共通の悩みとは
今回のセミナーにかかわらず、質疑応答で必ず出てくる質問があります。それはインターネットをどのように活用すれば良いかです。うまく使えば強力な武器になります。しかし農業者にとっては敷居の高いことも事実です。
業者にホームページ制作を依頼すれば、30万円程度は簡単にかかってしまいます。ものによっては100万円する場合もあります。またメンテナンス料として、毎月2万円ほどをさらに支払わなければなりません。
これれだけの額を投資するのであれば、しっかり検討が必要ですよね。しかし農業者に知識がないと、業者の言いなりになってしまいます。
立派なホームページを作れば、あなたの商品が売れるようになるかというと、売れません。ウェブ活用の残念な真実です。もちろん、消費者やバイヤーさんに農園情報を見てもらうという意味で、効果はあります。でも売れる売れないとは別の話です。
情報が氾濫していて、農業者には理解できない・・・
またネットショップについては何を使えばよいのでしょうか?
農業法人には某ネットショップ業者からよく営業電話がかかってきます。あなたにも経験があるのではないでしょうか?「年間30万円払ってくれれば、売れるページが作れますよ。」という類のものです。これは期待できるかも!と農業者は思います。でもそんな美味しい話があっていいものか・・・とも考えてしまいます。
じゃあ、やっぱりアマゾンに出店!!でもアマゾンと楽天の違いが分からない・・・。自社でオンラインショップを持つべきだという意見もあります。何が正しいのかわかりません。
FacebookなどSNSも活用したほうが良いでしょう。またメルマガを出してみたい気もします。でも本当に効果があるのでしょうか?売り上げにつながるのでしょうか?
とか思っていると、今度は別業者から電話がかかってきて、「当サイトに広告を出しませんか?」と言われます。これも良さそうですが判断がつきません。
どんな手法にせよ、本当に儲かるのであれば手を出してもよいのですが、どれもうさん臭そうにも聞こえるのです。
あなたの声を代弁すると「あ~、もう訳わからない!」ですよね。
はい、僕もそうでした。だから、がっつり勉強して、トライして、失敗して・・・を繰り返しました。今では事業者さんのウェブサイトを構築したり、インターネットを使ったマーケティングを指導させていただいております。
インターネットは万能ではない
何に手を出すべきか、一つの判断基準をお伝えします。
ある業者が、xxxネットショップに出店すれば儲かると言ってきたとしましょう。正直に言いますが、そんな都合のよい話はありません。たしかに瞬間的に儲かる場合はあります。しかし簡単に儲かるのであれば、皆がそこに出店します。いずれは飽和状態になってしまいます。
僕のブログでは繰り返し言っていますが、ターゲットとなるお客さんがいて、そのお客さんにどんなメッセージを伝えていくかのほうが大切です。インターネットを導入したからといって、そもそもターゲット顧客が曖昧であると、ネットに投資する価値はありません。
お客さんにメッセージを届けるためには、電話のほうがいいかもしれません。Faxのほうが効果的なケースもあります。直接会うことはもっと強力です。それはあなたの状況次第です。インターネットが万能ではないということを押さえておきましょう。
ネット活用の素人判断は危険・・・
インターネット信者、SNS信者の意見を信じないほうがいいです。局部的な議論だからです。あなたの商売には、まだインターネットは不要である場合もあります。どこぞのネット業者に言いくるめられないようにしましょう。
これから僕のブログでは、インターネット活用方法をちょくちょく書いていこうと思います。でもそれを必ずやらないといけない訳ではありませんよ。そこのところはご注意ください。
理想をいうと、あなたの状況を総合的に判断してくれる専門家が近くにいるとベストです。もしいなければ、弊社にご相談いただいても構いません。むしろ変な業者に引っかかるくらいなら、ぜひうちにお問い合わせください。
-田中良介
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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