メルシャン vsマンズワイン

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9月1日のブログ『「飲み比べる」ワインフェスタ開催』で紹介しました、「ワインフェスタ in 丸子」が9月17日に開催されました

上田市にブドウ畑のあるメルシャンとマンズワイン小諸ワイナリーが主力ワインを持ち寄り、飲み比べをしてもらうという贅沢な企画です。大手2社が快くご協力いただき、「新たなワインブームを上田から」と意気込んで準備しました。

とはいっても、上田市丸子の会場は新幹線駅や基幹鉄道駅から遠く、前売りチケットも販売しなかったことから、参加者数が読めず心配しました。上田市も実行委員会に加わっており、正直ハラハラものでした(私も自称飲み手のけん引役という重要な役どころです)。

はたして当日の参加者数は・・・。前回は150名程度でしたが、今回は380名(2.5倍)が参加され大盛況でした。

ガチンコ飲み比べのゆくえ

今回のワインリストは、メルシャンは「椀子(マリコ)」、マンズワインは「ソラリス」という主力商品を提供し、違いを味わってもらうというものです。特にメルシャンの「椀子オムニス2012」は、5月の伊勢志摩サミットに提供された日本を代表する赤ワインです(ヴィンテージは2012はすでに品切れで、2013でしたが)。

一方、マンズワインのソラリスも、数々の国際コンクールで受賞し、特に「信州東山カベルネ・ソーヴィニヨン」は高い評価を得ています(人気の2012が無く2013)。

私はどうしてもこの2銘柄を飲み比べたくて、15時開場のところ、2時間前には会場に到着していました。果たせるかな、オムニスを来場者で1番目に飲むことができ、東山カベルネも3番目でした(正月のお寺境内を走る福男の心境?)。

飲み比べてみて、コメントするほどの身ではないことは充分わかっていますが、違いははっきりと感じました。どういう言葉で表現するかは、ソムリエなどの専門家に任せればいいと思います。

私にとっては、県庁時代の仕事でワインと関わってまだ5年ほどしかなく、個人的に違いを感じ取れたことが大きな収穫です。他にもメルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランを飲み比べました。参加者の意見はそれぞれ違っていましたが、それでいいと思います。(個人的には、メルシャンのシラー、マンズワインの竜眼スパークリングワインが好みです)

食べ物は、サンドイッチやソーセージ、おやき他がありましたが、私はどうしてもチーズを欲します。幸い売っていた、国際コンクールで受賞歴のある近隣のアトリエド・フロマージュのチーズセットをお供に、ご機嫌で飲むことができました。

今回のワインフェスタの意義

”ワインづくりは農業であり、ワインはブドウの漬物”と喝破したのは、長野県のワイン産業をリードしてきたエッセイストでワイナリーオーナーの玉村豊男さんです。

ブドウ畑の隣のワイナリーで醸造されたワインを、その土地と風を感じて飲む。そこでとれた食材を使った料理と一緒に味わうというワインスタイルが広がりつつあります。

上田市には、メルシャンやマンズワインのワイナリーはありません。しかし、ブドウ畑(ヴィンヤード)の地質や地形、気象条件等により、ワインには大きな個性が生まれるという基本認識を共有してもらえれば、ブドウ畑を自慢する上田市をわかってもらえると思います。

その上田市の思いを後押しする出来事が一昨日ありました。それは何かといいますと・・・

その日、メルシャンのワイン用ブドウ収穫体験イベントがあり、台風による悲惨な天気予報にもかかわらず、キャンセルが少なく、リピーターが多かったせいもあり、いつもと変わらぬ収穫量だったとのことです。試飲ができるとか、美味しい弁当が出るとかの何かしらのインセンティブはあるでしょう(はっきり確認できていません)。

しかし、確実に、上田市丸子の陣場台地という土地にあるブドウ畑の魅力を味わいたいという人が増えていると思います。そう、「ワインを味わうとは、生み出されたその土地を味わう」ということです。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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