新規開拓ちょっと待った!(農業ビジネスモデル補足)

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くり

6次産業化に取り組み始めた生産者によくある間違いで、「お客さんの新規開拓」があります。え?新規開拓が間違い?いきなり何いうねん!と思われた方も多いでしょう。

前回まで数回にわたり、農業ビジネスモデルを説明してきました。そのモデルでは、第一ステップは新規のお客さんを見つけることでした(下図参照)。

実は、大切なことを言い忘れてました。新規開拓にいきなり取り組んではいけないのです・・・

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新規開拓にはコストがかかる・・・

6次産業化に取り組んで、新商品を作った生産者が共通してとる行動は、新規開拓です。展示商談会に出たり、営業周りしたり、ウェブでの販売を試みます。実はここに力を入れてはいけません。

考えてみてください。新規開拓には非常にコストがかかります。展示商談会に一回出るだけでも、出展料、交通費、サンプル代、人件費・・・多ければ数十万円です。労力もかかります。初めて出会ったバイヤーさんと、メールやり取りなどを通して、お互いを理解しあい、信頼関係を醸成していかなければなりません。時間がかかる割には、大半は上手く商売につながりません。費用対効果が低いのです。

開発費をかけて6次化へ取り組み、さらに販促費用をかけて新規開拓に取り組み・・・そしてキャッシュがショート・・・。あなたには6次化倒産への道を歩んでほしくありません!

力を入れるべきは既存のお客さんから

まず力を入れるべきは、既存のお客さんです。あなたは既に1次農産品を販売しています。すでにそれを購入してくださっているお客さんがいるのであれば、まずはその人たちに商品を紹介しましょう。

今まで紹介してきたビジネスモデルの「1.農園のことを周知する」から取り組んではいけません。「3.リピート購入してもらう」から取り組んでください!

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なぜなら、既存客はあなたの農園のことをよく知っているからです。信頼関係もそれなりに築けているはずです。この信頼関係は販売していくための土台となります。

単純に、商品を紹介するだけで良いです。
「6次産業化に取り組んで、加工品を開発しました。」
「新商品をリリースします!」
と言ってみましょう。電話でもFaxでもDMでも良いです。バイヤーさんに対しては、電話をするのが早いです。そうしたら大概の場合は、「サンプルを送ってみて」と言われます。

そこからの商談もトントン拍子で進むことでしょう。なぜならバイヤーさんはあなたの商品にかける想いやしっかりした品質管理について知っているからです。そんなあなたの新商品であれば、無視するわけにいきません。既に取り扱っているあなたの農産品と、新商品(加工品)を絡めたキャンペーンだって企画できます。バイヤーさんの店舗では、そのほうがシナジーが生まれて売りやすい場合もあります。

個人客に対しても同じです。その場合は、一人ひとり電話している訳にいかないので、DMを送ります。多くのお客様が喜んで購入してくれるでしょう。

これらの実販売を通して、新商品に対するお客さんからのフィードバックをもらいます。味、香り、内容量、デザインなど・・・。このフィードバックをもとに商品のブラッシュアップをかけます。

新規開拓に取り組むのはここから

既存のお客さんへ一通り販売した後に、新規開拓に取り組みましょう。場合によっては、既存客で売り切れになっているかもしれませんが、それはそれでよいでしょう。まずは既存客への販売で、新規開拓にかかる経費を稼ぐのです。売れる手ごたえと、改良点と、お客さんの声をもらいます。ファン顧客を増やし、足場が固めます。

この土台が整うと、新規開拓が俄然やりやすくなります。
さあ、ここからは思う存分、新規開拓に取り組んでください!

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。Web制作やコンテンツ制作の評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年より日本食糧新聞社 特派員としても活動中
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