農業ボランティアは、何を目的に来るのか?

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農業ボランティアに来てくれる人は、何を求めてくるのでしょうか?

厳密には「ボランティア」と「インターンシップ(研修)」に分けて論じるべきなのですが、無償で労働力を提供してくれるという意味合いで、ここでは「ボランティア」という言葉に統一します。

人材不足に悩む生産者にとって、農業ボランティアは力強い味方になりえます。しかし課題もあります。無償労働であるため、対応を間違うと不満が残りやすいという側面があるのです。

一番大切なことは、「相手が何を求めて来るのか?」を確認すること。僕の経験上、次の3パターンのいずれかとなります。

1.純粋に楽しむために来る

農業体験をイベント的に楽しむために来るパターンです。都会の人にとって、田舎は憧れの地です。景色と空気を求めてやってきます。旅行を兼ねて来る人もいます。もちろん地元の人が参加してくれる場合もあります。ワイン葡萄収穫であれば、ワイン好きの人たちが集まってきます。

この人たちには、エンターテイメントを提供しなければなりません。とはいっても何も難しいことはありません。都会の人たちにとっては農園風景そのものがエンターテイメントですから。あなたが”にこやか”に対応すればそれでOKです。

2.勉強のため情報収集のために来る

主に、将来就農したいと考えている人たちです。彼らには農業の現場を教えなければなりません。綺麗に作られた農業ではなく、真実を伝えます。本当に就農したいのか、その判断材料となる情報を提供します。限られた時間で、農業技術の入門編も教えてあげましょう。

農業や食に絡んだ仕事をしている人の場合もあります。都会のシェフが、自分の食材探しのためにやってくるケースなどです。このような人たちに対しては、対価として情報を提供しなければなりません。また他農作物を栽培している知り合い農家を紹介してあげれば、さらに喜んでもらえます。

3.社会奉仕のために来る

食の根幹を支える農業に、関心を持ち、何とかしないといけないという使命感を持っている人がいます。(いい人に見えて、偽善的にそうした態度を取っている場合もあります。)

企業が、CSR(企業の社会的責任)事業の一環として、農業ボランティアを組み込んでいる場合もあります。

このような人たち(企業)には、しっかり感謝の気持ちを表しましょう。また彼らの貢献により、如何に作業がはかどったかを伝えます。収穫物の一部をプレゼントしてあげましょう。

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できることから取り組む

ボランティアスタッフに対応するには、ある程度の時間が取られてしまいます。あなたが一人で農園を運営している場合、なかなか難しいかもしれません。

しかしこう考えてみましょう。今ある農場、景色、作物、空気を楽しんでもらう、もしくは提供するのです。だから、お昼ご飯をご馳走する必要もありません。各自お弁当を持ってきてもらって、畑でみんなでお昼と取るだけでも、相手にとっては良い経験になります。

既にあなたは良い素材をもっているのです。それを最大限に活用しましょう。

長い目で見ればファンづくり

相手の求めていることを把握し提供していけば、ボランティアスタッフはあなたの農園のファンになっていきます。ファンとは、すなわち優良顧客です。彼らはあなたを長期に渡って支えてくれます。

ボランティア対応とは、マーケティング活動の一環なのです。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。Web制作やコンテンツ制作の評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年より日本食糧新聞社 特派員としても活動中
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