6次産業化の進展は地域金融機関で決まる①

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前回のブログで、地域で6次産業化に取組む際、期待される存在として挙げたのは・・・
地域金融機関」です。なぜ期待されるのか、またその期待に応えるには何が必要か

元金融機関職員で、選択定年後県庁職員となった少し特異な経歴を持つ身として、思うところを述べます。

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地域金融機関の「経営理念」とは?

地域金融機関は、6次産業化にどう関わっていくべきでしょうか。当然、農業地帯と都市圏の金融機関でスタンスは異なるでしょう。そこで、このブログで何度となく指摘している企業の「経営理念」や「目的」を、地域金融機関についても見てみます

そこが出発点であることに異論はないと思います。長野県のいくつかの地域金融機関の経営理念を取り上げます。

・健全経営を堅持し、もって地域社会の発展に寄与する
・健全経営に徹し、豊かな地域社会づくりに貢献する
・つねに地元とともに栄え、豊かな明るい街づくりに奉仕する
・人とのふれあいを大切にし、地域の発展繁栄に貢献する

他の金融機関もだいたいこんな感じです。私が指摘したいことは皆さんおわかりでしょう。

そう、地域金融機関は、「その地域の発展に寄与・貢献することを使命としているのです。この使命は、行動を求めます

住民から生活の中でやり繰りしたお金を預かり、事業等でお金を必要としている人に融通する生業です。その行為により、地域の発展に貢献することを託されている重要な存在なのです。

6次産業化での「地域ネットワーク」

地域の発展は、農林漁業者の存在抜きには考えられません。国が平成23年に6次産業化・地産地消法を制定し、6次産業化に取組むことで地域を発展させていく方向が示されました。
しかし、その後の取組みの中で大きな転換がありました。それは何でしょうか。

地域資源の付加価値創造において、農林漁業者が単独で取り組む単独型は難しく、地域の1次・2次・3次の多様な事業者がネットワークを組んで取り組むネットワーク型への転換です。そこで、ネットワーク型のメリットをあげますと・・・

①連携企業のノウハウ・人材等の経営資源を共有できること(個々の事業者リスクは軽減)
②企業連携により、地域経済で点から面への波及効果が期待できること
③国の交付金の対象となること

農水省はそのネットワーク化の支援に向け、平成25年度から6次産業化ネットワーク活動交付金」を創設しました。その制度設計で、俄然、金融機関の存在が大きくクローズアップされてきたのです。どういうことか・・・

6次産業化で多額に資金を必要とするのは、加工・販売施設等の整備です。それへの交付金支出は、一般的には金融機関の融資が前提となります(事業者タイプという括りです。別に地域タイプもありますがここでは触れません)。

詳しいことは省略しますが、言いたいことは、金融機関が融資を決定しない限り地域の6次産業化への取組みは大きくは進まないということです(申請時に融資証明書を求められます)。交付金を必要としない場合でも、ネットワーク型の地域6次産業化に金融機関の理解支援は不可欠です。

求められる地域金融機関の機能

そこで、地域の連携事業者が金融機関に求める機能は何でしょうか。

①加工・販売等の施設整備計画についての的確な審査ノウハウや与信判断をする機能
②連携する1次・2次・3次事業者や大学等の研究機関を仲介する機能
③需要動向や商品開発、新たな販路開拓等における情報提供をする機能

この中でも、特に②の取引先等を仲介する機能が重要です。1次の生産者で6次化を考えている経営者は、他業態から進出された方が多く、2次・3次の事業者を紹介してもらえれば、ザックバランな話ができます(私の知っている限りですが・・・)。

しかし、金融機関が仲介することは、容易なことではありません。それには普段からアンテナを高く掲げていなくては情報が入ってこないからです。では、取引先から情報が入ってくる状況をどう作るか・・・。ズバリ言いましょう。

金融機関職員として「危機感と6次産業化への熱い思い」を持っていることです。
そうすると、あの職員に相談すれば、色々情報を取ってくれる、相手を探してくれるとなり、仲介する流れが生まれます。ネットワークの形成が進んでいくでしょう。

前回の「創業の心構え」で述べた大切と思うこと・・・このままでは、この地域は衰退してしまう。地域金融機関が地域社会の発展をリードするという熱い思いです。この熱い金融機関職員の想いが、地域の多様な事業者をつなげる連結ピンの役割を果たします。

今まで、地域金融機関の果たす役割を、ネットワーク型への転換という視点から述べてきましたが、別の大きな理由があると思っています。その理由とは・・・次回に。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川 正之
アグリフード(風土)アドバイザー

長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員。中小企業診断士。
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