6次産業化プランナー、農業関連アドバイザー、6次化サポートセンター、地域登録専門家・・・、農業者は行政からタダ( or 低価格)でアドバイスをもらえる仕組みがあります。
様々な分野のアドバイザーが地域に登録されており、依頼すれば彼らを派遣してもらえます。特に依頼しなくても、お節介アドバイスもどんどんもらえます。
とても良い仕組みなのですが、、、実は弊害もあります。
先日、青森で農業者向けにセミナーをしてきました。タイトルは、「6次産業化の実践につながる初動の取り組みと成功に向けたプロセス」でした。セミナーの次の日は、青森の生産者さんを何件か訪問させていただきました。
そこで生産者さんから、とても面白い質問がでました。僕も、もともと一生産者だったので、この質問に隠された気持ちが、非常によく分かります。その質問とは・・・
「アドバイザーとの闘いに、どうやって勝てばいいですか?」
さあ、どういう意味だか分かりますか?農家であるあなたは、何となく分かるんではないですか?
何が正しいか分からないという悩み
農家に対して、多くの人が、様々なアドバイスをします。
・これは味が薄すぎる、濃すぎる、酸っぱすぎる・・・
・デザインが良くない。最近のデザインとは・・・
・内容量が多すぎる。トレンドは小パックなので・・・
自分が丹精込めて開発した6次化の加工品を、一瞬で否定されることすらあります。こんなものを市場に投入しても売れない、と。何を根拠にそのようなことを言っているのか分からないのですが、自信満々なアドバイスなのです。農家は反論すらできません・・・。
そして農家は困惑します。なぜなら、みんなアドバイスが違うからです。何が正しいのか分かりません。あるアドバイザーの言うことを聞いてパッケージデザインを変えたら、異なるアドバイザーにダメ出しをされます。
どうすれば良いのでしょうか?何が正しいのでしょうか?答えはどこにあるのでしょうか?
あなたにお金を払ってくれる人はだれか?
お金を払ってくれる人とは、すなわちお客さんです。あなたの商品を購入してくれる人です。ここに答えがあります。
あなたの商品を、まったく買う気がない人の意見というものは、聞けば聞くほど振り回されます。
あなたがすべきは、お客さんの意見に耳を傾けることです。「味が薄すぎやしないですか?」「パッケージデザインの改善点はありますか?」「何を改善すればもっと購入したくなりますか?」
この考え方でいうと、社員や家族や社長や部下の意見も、聞く必要がありません。彼らはお客さんではないからです。聞くふりくらいは、したほうが良いかもしれませんが(笑)
極論を言うと・・・
あなた自身の意見も無視してください。あなたもお客さんではありません。現実的には自分の意見は少なからず反映されます。しかしお客さんに意見を求める姿勢を貫いてください。
この姿勢が、農業アドバイザーとの闘いに勝つ方法です。
圧勝を願っています!!
-田中良介
P.S. デーリー東北掲載記事(2016年10月28日)。あなたの街へも伺います!ご相談ください。
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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