6次化「メープルサイダー物語」その3 ~商品開発&商品テスト~

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6次化「メープルサイダー物語」その3 

となりのまさこさん

―商品開発&商品テスト―

いよいよ、3年目。雪解け間近。採取の季節がきました。今年も、採取に成功!さあ、3年目ですから、3度目の正直?・・・去年のような失敗はさすがにしません。ちゃんと、0℃以下に保存。4日以内に処理をしましょう。

できました。メープルサップ(樹液)の瓶詰めが完成です。といっても加工は、私がこの方ならと見込んだお隣の県の方に委託です。

加工の研修もさせていただきました。さすがに、5年目の今は自分で頑張ろうと思っていますが、加工所はこれからです。加工所をつくるのは、お金がかかりますから・・・資金がない・・・トホホ(資金の調達大作戦は、またいつか書きましょうね)

1次・2次・3次のすべてを全部やろうとしないのが私流です(笑)プロにお任せするのが一番!これが、私流6次化!

3年目は、あることを考えていました。

それは、樹液をシロップにはしないで、利用できないか?ということでした。

何しろ、シロップは40分の1に煮詰めるので、ものすごい量の樹液が必要になります。とてもとても、煮詰めると高価なものになってしまいます。さらに、量産はむずかしい・・・。

そこで、この透明な美しい液体を何かにしたいと・・・今、思い出しても、どうして、サイダーになったのか?そのときの、ピンと来た感覚は、今は忘れてしまったのですが・・・。

福島県の6次化商品で、果物の実のエキスを入れたサイダーを見つけたときに、確か、これできないかなあ・・・と思ったことを記憶しています。

どうやって作るのかな?

誰に聞いたらいいかな?

困るといつも私が訪ねるのが、会津若松にあるハイテクプラザ(福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター)です。

椎茸を生産していた時も、6次化商品を作るために何度も何度も相談に行きました。

今回も、サイダーはどうやって作るのかを聞きに行きました。すでにサイダーの6次化商品は展示されていました。その生産者の方のところへ訪ねて行くことにしました。

いつも、私は、「人」に恵まれています。訪問先の会社でも、とても親切に対応していただき、いろいろな質問に丁寧に答えてくださいました。

さらに、私は、サイダーの製造会社をインターネットでいくつも調べました。

本当は、なるべく近いところがよかったのですが、最終ロットが多すぎることや、瓶の種類が私のイメージと違っていたりとか・・・デザインが何か違っていたりとか・・・。

そんなこんなで、最終的には、九州の佐賀県の製造会社に決めました。

何回もメールや電話で打ち合わせをしました。

そして、いよいよ、メープルサップを持って相談に!いざ、九州!初めての佐賀県!

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担当の方にこちらの希望をお伝えして、工場内の見学もさせていただいて、いろいろな商品の展示棚を見ると・・ピン!ときました。95mlのかわいい小瓶のサイダーです。これだ!これがいい!ビンは決まりました!

家に帰り、数週間後。サイダーの試作品が届きました。どうかな?いい感じだな?家族みんなで飲んでみました。ほかの方の感想も聞きたいなあ。そこで、となりのまさこさん登場です!

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「これ、メープルのサイダーなんですけど、ちょっと、飲んでみてくれませんか?」

「うめなあ~!」

「おいしい?」

「甘くて、うめなあ~!」

となりのまさこさんに喜んでいただけたので、これでいこうと決めました。

「甘くて、うめなあ~!」が後日、商品の組み立ての変更へと続きます。(笑)

(つづく)

(文責 佐藤昭子)

この記事を書いた人

佐藤 昭子(さとうあきこ)
佐藤 昭子(さとうあきこ)
1956年東京生まれ東京学芸大学教育学部美術専攻工芸専修
公立中学校美術教師を23年勤め早期退職
2002年4月より夫の故郷福島県西会津町奥川にて専業農家となる。6次化による商品開発(焙煎椎茸「まぜらんしょ」・椎茸野草茶「會津ティー」・椎茸ふりかけ「おかわり」など)
2010年7月農業法人株式会社キノコハウス設立 翌年3月11日東日本大震災にて被災キノコ生産を中止する。
2013年自宅縁側にて「縁側カフェ」起業
メープル樹液採取成功
2015年メープルサップ(樹液)商品化
にいがた6次化大賞日本食糧新聞社賞受賞
2016年メープルサイダー商品化
フード・アクション・ニッポン・アワード2016入賞
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