僕のブログでは、展示商談会後のアフターフォローの大切さを色んな角度からお伝えしています。ヘビー読者の方は、具体的な方法も、かなり分かってきているのではないかと思います。
それに対して最近、こんな質問を受けました。
「商談後、アフターフォローをいつまで続ければいいのですか?」
とても良い質問です。それに対する僕の答えは、
「永遠に」
質問された方は、とても不満そうでした(>_<)
誰も教えてくれない本当のアフターフォロープロセス
展示商談会後、バイヤーさんにしっかりアフターフォローをして、商売につながったとします。たとえば、それがスーパーや百貨店であったとします。
これでハッピーエンド!やった~!
と、半日くらいは浮かれても良いのですが、そのあとは正気に戻ってください。
そこから新たなフォローアップが始まります。店頭での商品の売れ行きを、頻繁にバイヤーさんや店頭責任者に聞かないといけません。
新商品がいきなり売れるわけではないからです。売れ行きが芳しくないと、あなたの商品はひっそりと賞味期限を迎え、バックヤードに下げられます。そして、あなたは待てども待てども、次の注文が入ってこないということになります。
店頭での売れ行きが向上するように、あなたがPOPを作成したり、試食販売の機会を提案することもできます。
僕のクライアントさんは小さいところが多いので、(6次産業化)加工品の生産量はごく限られています。だから年間を通してスーパーや百貨店に卸すことができません。どうしても販売できない期間があります。その間には何をするのがよいでしょうか?
次シーズンに向けて予約注文を取れるよう、働きかけないといけません。予約注文が取れれば、安心して原料調達と生産に入れます。そのためには、電話やメールや訪問を組み合わせて、バイヤーさんとコミュニケーションを取り続ける必要があります。これをひたすら繰り返していきます。
次のステージに進んで、その店舗に安定供給できるようになったとしても、終わりではありません。あなたの棚を虎視眈々と狙っている競合企業がいます。彼らの動きを常に見ておかなければなりません。またバイヤーさんが浮気しないよう、しっかりコンタクトを取り続け、相手の変化するニーズを把握しておかなければなりません。
やることはいっぱいあります。多くの生産者が、
展示商談会⇒アフターフォロー(2~3回)⇒取引開始⇒ハッピーエンド!
くらいの感覚です。そんな簡単なものではありません。
この本当のアフターフォローの道のりを理解していないと、先が見えず途中で嫌になってしまいます。
長いプロセスであることを理解し、一喜一憂しない
僕自身も様々な農業者さんと一緒に現場を駆けずり回りながら、商談や営業やアフターフォローをやっています。上手くいくこともあるし、上手くいかないこともあります。
また、上手くいかなかったと思っていた案件が、想定外の要素で、急に好転することもあります。最近思うのは、その一つ一つにあまり一喜一憂してはいけないということ。
アフターフォローは、長い長い道のりです。終わりはありません。だから腰を据えて、じっくり進めましょう。どこからどんなチャンスが転がりこんでくるか分かりません。
農家は忙しいから、そんなことまでできないという言い訳は無用です。忙しいなりにできることはたくさんあります。
もしあなたが農業で儲けていきたいのであれば。
-田中良介
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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