思っていたのと違うものが出来上がってきた・・・
ビン形状が違う、味が微妙、原材料が異なる、ラベル記載に誤りがある・・・
六次産業に取り組み始めのころは、通常、委託加工で商品を作ることになります。
委託加工は、依頼すれば魔法のように加工品を作ってもらえるわけではありません。あなたが気を抜くと、思い描いていたのと異なる商品が仕上がってきます。
しっかり要求を出してますか?
十分に要求を出すことなく、委託加工に出してしまう生産者をよく見かけます。できあがってきたものを見て慌てることになります。
ではどんな要求を出さないといけないのでしょうか?
例えば、
・瓶形状
・原材料
・配合
・製造方法
・キャップ形状と色
・裏ラベルの記載
・賞味期限設定
・品質(大腸菌など)検査の実施
・成分分析
・JANコード(バーコード)を相手のものを使うかどうか
・納期
・本数
・価格
・消費税と送料
・発注量に応じたディスカウント
・余った原料の取り扱い
ぱっと思いついただけでも最低このくらいはあります。もっとあると思います。もちろんあなたの思い通りにはならない項目も多いことでしょう。しかしあなたの求めるものをはっきり提示して、そこから議論が始まります。
加工工場はプロだから、放っておいても向こうから提案してくれるなんて思ってはいけません。あなたから求めないと相手からは十分な情報が出てきません。
痛い目に合うのはあなたです。僕にもそんな経験があります。
もっと求めても構わない
商品製造以外のことを求めても構いません。
たとえば、売り先を紹介してくださいと依頼するのです。その加工工場が持っている販路があります。どこかの百貨店のバイヤーと知り合いかもしれません。
「もしお知り合いがいれば紹介してください」とはっきりと頼んでみましょう。あなたが求めなかったら販路は広がりませんが、求めればその先につながる可能性があります。
もちろん依頼の仕方やコミュニケーション術は大切です。上から目線ではいけませんよ~。
ディスカウント要求にだけは配慮が必要
要求をどんどん出せということを述べてきましたが、価格についての要求には十分な注意が必要です。
価格を安くしろという要求は、イコール「あなたの仕事には価格に見合った価値がありません。」というメッセージを送ることになります。
たとえ、あなたがそんなことを意図していなくてもです。逆の立場になれば分かると思います。あなたが心を込めて生み出した加工品に対して、「そこまでの価値がない」とバイヤーに言われたら、あなたは心のなかで激怒するはずです。
相手に対して、もう誠意をこめた仕事ができなくなってしまうかもしれませんね。
もしディスカント要求をするのであれば、それに代わる相手のメリットも提示しなければなりません。
たとえば、発注量を増やすことなどです。相手の持っている商品を、こちらの販路で紹介してあげることでも良いでしょう。支払いタイミングを早めてあげることも相手にとってのメリットにつながります。
ポイントは依頼上手になることです。
-田中良介
この記事を書いた人

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アグリマーケティング株式会社 代表取締役
食品企業の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。プロモーション漫画の制作や、記事・コンテンツ制作への評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年 日本食糧新聞社 特派員としての活動も開始
2017年 世界最大の食の見本市「ドイツ・アヌーガ」へプレスとして参加
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