イベントで仕掛ける次の一手② 

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上田市内で酒米を作り、酒造会社と組んで「奏龍(なきりゅう)」という酒を造っている若手農家グループの話は、以前ブログに書きました(5月28日付「地産地消はネットワークで勝負!」)。地元の農協青年部に参加しています。

一方、ニンニクを栽培し、「美味だれ」という焼き鳥のタレを作っている認定NPO法人『侍学園 スクオーラ・今人』(通称サムガク)の話もブログに書いています(7月26日付「行政が喜んで対応したNPO法人からの依頼」)。この両者をドッキングさせ、あるイベントを仕掛けている事例を紹介します。

サムガクでの授業 

サムガクは、不登校や引きこもりになってしまった若者、社会での居場所を見失ってしまった大人たちが新しい自分を見つけるための民間教育施設です。そのカリキュラムの中で特に農業に注目しており、1月初旬に、地元農協青年部のK部長が授業をします

今までサムガクは農協とのつながりがありませんでした(私はとっても不思議だったのですが・・・)。今回、私が仲立ちし、授業をしてもらうことになったのです(K部長はJA青年の主張全国大会で優秀賞を受賞しているツワモノです)。

座学の授業の後、生徒たちと餅つきを行います。農協青年部にも手伝ってもらい、もち米を蒸かし、杵と臼でつきます。しかし、「つきたては格別美味しい」との感想をもらって終わり、というイベントでは寂しい限りです。

そこで、前回のブログでイベントでは「とりあえず」の一手を仕掛けてつなげる、と書きました。今回、どんな「とりあえず」の一手を打つか。皆さんもいろいろ思いつくでしょう。私が仕掛けようとしているのは・・・

「とりあえず」の一手

K部長は米や大豆の生産者ですが、農協青年部には野菜や果物の生産者も何人かいます。そこで、春以降、それぞれの作物の生産者たちに、作付けや収穫時期に授業をしてもらうのです圃場での現場作業も含めて

K部長から部員に次々にリレーしていって、サムガク生徒と共通体験を持ってもらいます。生産者が先生役をやるのは準備等で大変ですが、やれば自信になります他の連携が生まれてくれば嬉しいですね

さて、どう仕掛けるか・・・。授業後、サムガクと農協青年部と市職員で反省会を行う予定ですが、その場で提案しようと思っています。サムガクと農協青年部には個別にささやいているので、まず、大丈夫と思いますが・・・(頑張ります!)。

私は農協青年部の皆さんとイベントや懇親会他で会っていて、素晴らしいメンバーです。純粋に、サムガクの生徒とつながってほしいなーと。

生産者はプロデューサー

サムガクと農協青年部の絆を作りつつ、さらに私が年に何度か農業に関する授業をさせていただいている市内の高校や大学にも、講師役として彼らを紹介したいと、思いは膨らみます。

しかし、それには大切なことがあります。
生産者自らが生産者とはプロデューサーである」ことを自覚し、いろんな方と積極的に出会い学び、果敢に仕掛けていく積極性が必要です(6月30日付「プロデューサー」ということば参照)。

今、農協は地域や全国からその存在意義や行動が注目されています。農協に結集するこれらの若手生産者たちの取り組みにより、私は必ずや「地域に必要な組織」としてリード役を果たせると信じています。

あるべき行政職員の姿

前回と今回、イベントの仕掛け人である行政職員に対して、イベントに「とりあえず」の次の一手を仕掛けておくことを提案しました。

行政職員の皆様には、改めて普段から個人的に色々な方と接して人脈を築いておき、アイデアを貯めておくことをお勧めします。

私の考える「あるべき行政職員」とは「情熱を持ったつなぎ役」です。
さらにいえば、
 cool head and warm heartaction firstの持ち主です。

追伸:今年もあと31日を残すのみとなりました。田中良介さんにお願いしてブログを載せてもらい9か月余り。書きながら自分の考えを整理できたことが少なからずあり、自分にとっては大変勉強になっています。来年もマイペースで書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。皆様にとって、2017年がより良い年でありますように。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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