昨年12月30日付「イベントで仕掛ける次の一手②」で、“1月初旬に侍学園(通称サムガク)で餅つきを含めた授業」をやると書きました。サムガクは、不登校や引きこもりなどの若者が新しい自分を見つけるための民間教育施設です。
1月13日に信州うえだ農協青年部・部長の柿嶌洋一さんと一緒に授業をしてきました。(柿嶌さん本人の同意を得ましたので、今までのKさんの表記を今後実名とします・・・実は本人からなぜ実名を出さないのかとクレームがありましたので・・笑)
授業は大成功!
第一部は、私の「信州上田の農産物のすばらしさ」、柿嶌さんの「私にとっての農業・農協とは」という授業です。特に柿嶌さんの農業・農協との関わり方について、その熱い思いに生徒は爆笑し、時に食い入るように聞き入っていました。
第二部は「餅つき」授業です。その様子は、侍学園HPにアップされていますのでご覧ください(http://www.samugaku.com/staff_blog/3409/)。
その餅つき授業で私が感じたことを書きます。
餅つきは貴重な「関係づくり」の場
ご存知の通り、餅つきは、もち米を蒸かして臼と杵でつき、手でちぎって丸め、きな粉やあんこなどで食べるものです。地元のJA支所が全面協力してくれました。
この場は、サムガク+JA+行政のつながりで初めて実現したものです。構図は、行政(私)が民間の両者をつなげたかっこうです。サムガクの教頭からは早速こんなメールをいただきました。
『本当に生徒たちが、多くの方々に応援してもらっているんだという実感を持てたようで、私もとっても嬉しいです。そして我々のような団体が、行政の方や農協の皆さんにご協力頂けることは、本当に励みになります。今後ともよろしくお願いいたします。』
嬉しい限りです。そこで、この場で生徒が学んだことは何か、私なりに考えてみました・・・
呼吸を合わせるということ
餅つきで、まず臼に入れた蒸したもち米を、杵で臼を回りながらつぶしこねていきます。4人でやりましたが、呼吸が大切で、全身でリズムをとってテンポよく協同で行います。初めはモタモタしていましたが、周りも手拍子で応援するとうまく回り始め、一緒にやることが嬉しそうでした。
餅つきは、つき手2人の呼吸が大切です。他人と合わせることが苦手な生徒が少なからずいる中、やっているうちに2人の息があってきました。手を入れてこねる方との呼吸もあります。「相手に合わせつつ、自らも行動する協働」の良い経験になったと思います。
仲間という存在がいなければできない餅つき、下準備やフォローをしてくれた地元JA支所職員たちもその笑顔が何よりの達成感を表わしていました。
最後に、「一緒につくった餅を笑顔でみんなで食べた」ということが、成果を共有できた証と思います。
次の一手を打つ!
終了後の反省会で、次の一手として「野菜や果物の生産者の話しや畑での作業」といった授業を検討していこうとなりました。
1回のイベントではなく、関係を作ってスタートしていきたいのです。皆さんの想像通り、少々飲み過ぎた夜となりました(笑)。
私がこのブログで一貫して書いている「地域づくり」での「関係性」構築支援(=地域の多様な人たちをつなげること)について、なぜ「関係性」にこだわるのか、年初なので改めて基本的な思いを書いてみます。次回に。
この記事を書いた人

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アグリフード(風土)アドバイザー
長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員(非常勤嘱託・元長野県農政部職員・中小企業診断士)
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