「ろくもんワイントレイン」発車オーライ!

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今年は、千曲川ワインバレー関連の情報を積極的に発信する、と年頭のあいさつで書きました。

そして、お待たせしました。今年度、試験運行していたワイントレインがこの4月から、しなの鉄道の「ろくもん」ワイン列車として定期運行することが決定!
1月11日の地元紙(信濃毎日新聞)に掲載されました。発車はオーライ(=All rightの略)、順調に
準備を進めています。

運行の基本は土日の夕方で、年間 なんと80本!!
軽井沢からスタートして、上田駅の少し先の戸倉駅まで

夕方走らせ、戸倉駅までということは・・・ヨッシャ―、私の指向する「地域の関係づくり」を狙った手です。ニクイ! 

宿泊前のアペリティフ(食前酒)

「ろくもん」は、豪華な特別仕様の列車で、試験運行時の食事付きプランが好評、ほぼ満席。

ならば、試験運行時に食事付きでなく乗車率が低調だった3号車をワイントレインとして設定。気になる内容はというと・・・

沿線中心の長野県産ワインを月替わりで3~5種類用意し、グラス1杯ずつ提供。食事は前菜と肉料理とデザートなどで、気になる旅行料金は1万2千円程度。

この軽めのワイン・食事メニュー等の提供は何を意図するのか、おわかりでしょうか。

午後6時~7時に上田駅や戸倉駅に到着するワイントレインの乗車客を、沿線の温泉宿での宿泊につなげるのです。それまでのアペリティフ(食前酒)という位置づけです。

まだ、詰めるべきことはいくつかありますが、基幹鉄道がこういう方向を打ち出したことは、沿線の商業や観光業にとって、ワイン産業との関わりを積極的に模索でき、プラス効果が大きいと思います。

玉木社長を訪問

この企画の陣頭指揮をとっているのは、昨年、某保険会社から出向されている玉木社長です。46歳。
最近、しなの鉄道本社を訪ね、社長と情報交換をしましたが、すぐ通じました。スマートで情熱家です。

今後の課題は、温泉旅館の宿泊プランづくり、上田駅や戸倉駅のワイン紹介・販売コーナー設置、県の進める統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」とのコラボなどあると思いますが(私見です)、いろいろつながりながら進めていくことで一致しました。

情報共有が大切

ワイン広域特区の8市町村で構成する千曲川ワインバレー協議会で、私が説明し情報を共有しました。

民間と行政が連携して地域づくりを行う場合、情報共有は欠かせません。当然、いろいろな意見が出ますが、そのステップを経てこそ、その先に一緒にやれることを見出すことができます。意見の不一致を恐れていてはスタートすらできないのです。

地域全体の販売戦略の主体として、しなの鉄道という強力な民間企業が現れたことから、今後は連携を密にして民間他社を巻き込んで進めていきたいですね。

それと時を同じくして、地域全体の醸造面を支援する強力な民間企業が出てきました。
その話は次回に。

 

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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