6次化、いつやめる?

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信号

今週は、6次産業化セミナー講師を2か所でしてきました。
長野県東御市と、岐阜県飛騨高山です。

どちらも、今から6次産業化に取り組む方たちに対する入門編の内容でした。6次化を立ち上げて、販売につなげていく方法を具体的にお話してきました。

今から立ち上げる方は、不安もいっぱいだと思います。やることもたくさんありますよね。商品開発、デザイン制作、補助金申請、衛生面での管理、人材マネジメント・・・

今日の飛騨高山での、質問タイムに、話の流れで、思わず言ってしまったことがあります。いままで僕が担当した6次産業化セミナーでは、言わないように、言わないようにしていたことを・・・

それは「6次化撤退条件」

ああ、ついに言ってしまった~。
今から立ち上げようという人たちに、これを言ってしまうとちょっと引いてしまいますよね(>_<)

でももう解禁して言うことにします。
声を大にして言います!

6次化を立ち上げることは、素晴らしい経営判断だと思います。
でも撤退する勇気はもっと重要です。

6次産業化認定の事業計画書に、本当は撤退条件があるべきです。
6次化推進セミナーでは、同時に撤退の仕方も教えるべきです。

正直、6次産業化で成功するのは難しいことです。多角経営ですから。
お金も時間も労力もかかります。

その投資に見合った売上げや利益が出れば良いのですが、すぐに軌道に乗るわけではありません。

成功するまであきらめてはいけない!と言うのは簡単です。
でも正直言うと、撤退したほうがいいケースもあります。撤退までいかなくとも、規模を縮小しなければならないケースがあります。そういう事例も今まで見てきました。

これ以上投資をして、あなたの貴重なお金と時間を無駄にしてはいけないライン、というものがあります。

撤退条件は、人それぞれです。ある一定の資金を使い果たした時かもしれません。ある商品が売れ残った時かもしれません。優秀な社員が辞めてしまった時かもしれません。

どのような形であれ、あなたなりの撤退条件を設定しておかなければなりません。被害を最小限に抑えるためです。

あなたの気持ちは分かります。今まで苦労してやってきたのだから、簡単にやめるわけにはいかないことを。今まで投資したお金が無駄になることを。方向転換するのは、だれもが好きではありません。

しかし、考えてみてください。この先、続けていけば、もっと大きな額を失うかもしれません。農作業に十分な時間を割けず、作物の品質が落ちて、本来のお客さんを失う可能性もあります。

株式投資をしている方は分かると思いますが、これは「損切」の考え方です。

でも、

あなたなりの撤退条件を設定したあとは、、、、
全力で6次化に臨んでください!

-田中良介

P.S. 飛騨高山、東御市の参加者の皆さん、ありがとうございました。撤退しなくていいように?、ぜひ頑張ってください!

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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