販路開拓すると心に誓った農家に訪れる危機があります。
販路開拓とは、展示商談会に出たり、マルシェにでたり、バイヤーさんと商談したり、ネットショップで売ったり・・・
とあなたは思っているかもしれません。外に出ていって、華やかに売ってくるイメージかもしれません。そこに大きな誤解があります。いわゆる商談や売り込みは、ほんの一部にすぎません。
販路開拓の大半は、資料作成です。
あまりにも地味な作業なのです。
たとえば、商品企画書、商談(FCPシート)、事業計画書、補助金申請書・・・。
いや~、私は農家だから、資料作成はちょっとできないよ、あはは。
と言ったら、そこでお終いです。
6次産業化プランナーに、事業計画書をすべて作ってもらう人もいます。最初のうちは力を借りても良いのですが、いずれは自分でできるようにならないといけません。そうしないと、ずっと他力本願で事業を進めることになります。それはある意味、自分の事業ではありません。
たしかに、身体を動かす農作業が好きな農家が、パソコンに向かって文章作成するのは、難しいことかもしれません。でも最終的にはやらないといけないのです。
かと言っても、やはり農作業も忙しいので、できるだけ短時間で集中して資料作成を終わらせないといけませんよね。
僕が農業法人時代から取っていた手順をご紹介します。
1. まずスマホ(携帯)をOFFにして、部屋にこもる。
2. 作成要綱があれば、それに目を通す。分からないところを抽出する。
3. 行政の担当者に電話して、分からないところを(書き方等)教えてもらう。
4. 一気に書き上げてしまう。誤字脱字など気にしない。
5. ドラフト版を、行政やプランナーに見てもらう。
6. 修正する。
ここで一番大切なのは、1番です。邪魔の入らない部屋にこもってください。いかに集中できるかが勝負です。スマホOFF。インターネット禁止。テレビ禁止。すべてをシャットアウトします。
その旨を、従業員や家族にも伝えてください。「この一時間だけは、絶対邪魔するな!」と言っておいてください。そうしないと、資料作成は無理です。僕も無理です。
集中しないと、資料作成には膨大な時間を取られてしまいます。あなたの時間を奪ってしまいます。販路開拓を進める意気込みがなくなっていきます。
あなたは時間に追われているはずです。販路開拓や6次産業化に取り組んでいる農家の共通の悩みです。
要は、集中して、エネルギーと努力を費やすのです。これを繰り返さないと、あなたの資料作成能力は向上しません。
資料作成のスピードを上げることは、販路開拓の基礎だと言えます。
-田中良介
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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