先日、「長野ワインを楽しむ会」を東京にて開催しました。
ワインは長野県東御市(とうみし)の5つのワイナリーから、食材は主に東信州から僕の独自ルートで集めました。それを、料理家の野口美紀さんにアレンジしてもらいました。野口さんはワイン販売業もされていて、これから長野ワインを手掛けていきたいと考えていらっしゃいます。ということで、今回ワイン会を共催させていただきました。
開催の主目的は、お客さんのリサーチ。
お客さんのことをもっともっと知るためのイベントです。
現在弊社では、長野ワインのファンを増やし、そして継続的なワイン販売につなげていく仕組作りに取り掛かっています。
その中の一つのメインプロジェクトが、ワインぶどう収穫ボランティア。秋の収穫シーズンに、都会の人を安定的に産地に呼び込んでくるプロジェクトです。
今回のワイン会の参加者は僕をのぞいて全員が東京の人たちでした。ワイン好きで、希少食材や地方にも関心のある人達を呼びました。いわゆるターゲット顧客です。将来、収穫ボランティアに来てくれる可能性のある人たちです。
この方たちに実際お集まりいただき、楽しく食事をしてもらいながら、いろんな意見を伺いました。ターゲット顧客のことをもっともっと知るための作業です。
ワインぶどう収穫ボランティアのイメージは?
「ワインぶどう収穫ボランティアのイメージは?」という質問を投げかけてみました。
皆さん、ボランティアには興味があるとのことでした。「楽しそう」といった意見が大半でした。ポジティブな意見がたくさん出てきました。
しかし、そこでリサーチを終わるわけにいきません。ここからが本番です。
僕の経験上、都会の人は、生産者に対してポジティブで良い意見を言ってくれます。産地の人間としてとても気持ちのいいことです。しかし同時にこれは表面的な意見でもあります。
だから、「具体的には?それはなぜ?他には?」と、どんどん深堀をしてみました。
すると出てきました、出てきました。
やっと本音が!
「農業ボランティアには厳しイメージがあります。へとへとになるまで働かされるかのではないかと不安です。」
きた~。これこれ。これがものすごく重要。ある意味、僕にとって思ってもいなかった意見です。なるほど。
このお客さんの悩みを知ることなく、単純に「収穫ボランティア募集!」と都会の人に広報をかけたらどうなるでしょうか。お客さんは興味はあるけど、一歩を踏みだせないということになります。なぜか集客できないというジレンマに陥るはずです。
だから、このようなメッセージをセットでだす必要があります。
「収穫作業は、皆さんの体力に合わせて、自分のペースで進めていただいて結構です。慣れない作業ですので、無理せず疲れたら休んでください。ぜひ楽しみながら、ご参加ください。皆さんの笑顔が、生産者にとってもやり甲斐につながります!」
分かりますか?
あなたもターゲット顧客を設定したあとは、そのお客さんの隠れた悩みやニーズを深堀しましょう。今回僕がやったような食事会を開催してもよいと思います。そこで、ざっくばらんに聴いていくのです。
最初は間違いなく、ポジティブな意見が出てきます。これに騙されてはいけません。本音にたどり着くまで、しつこく聴かないといけません。
最終的にたどり着いたところには、あなたの商品を販売していく大きなヒントが隠されています。
-田中良介
P.S. まだまだリサーチはスタートしたばかり。もっと本格的なリサーチをかけていく予定です。
この記事を書いた人

- 世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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