こだわりの商品名について考える(バイヤーズ・ガイド 永瀬正彦さん寄稿)

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商品名

今回は株式会社バイヤーズ・ガイド 代表取締役社長(編集発行人)の永瀬正彦さんにご寄稿いただきました。

バイヤーズ・ガイドは、食材・食品を流通小売業や料飲店のバイヤー・仕入担当者とマッチングさせるサービスで、研修やセミナー等の【教育事業】、フリーペーパーやウェブサイト(http://buyersguide.jp/)等の【メディア事業】、商談会、求評会等の【マッチング事業】、47都道府県 食品イメージ調査等の【調査事業】、そして海外販路開拓に至るまで幅広く手がけています。

私自身も、何度か永瀬社長のセミナーを受けて、勉強させてもらっています。今回はそんな永瀬さんによる、商品名の付け方についてご紹介いただきます!(田中)

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こだわりの商品名について考える

永瀬正彦

商品のアドバイスをしていると、商品名が「味噌」「醤油」「梅干」のように、商品の総称になっているケースがよく見受けられます。

これでは、他の商品との差別化が見いだせないため、残念ながら価格勝負に陥ってしまいます。こうした価格勝負に陥らないためには、親しか自分の子供に名前を付けることができないように、生産者・メーカーの方々にも、その商品に合った名前を付けて欲しいのです。

例えば八戸の水産加工会社がいかの塩辛を作ったとします。その商品に合った名前という観点でいくと、5W1Hで具体的に考えてみると良いでしょう。

・WHEN(いつ作ったのか)で名付ければ、八戸のイカの旬が9 月で、長い夜のお供にという想いを込めて「夜長月しおから」。

・WHERE(どこで作ったのか)で名付ければ「八戸沖合スルメイカ漁場発 船上しおから」。

・WHO(誰が作ったのか)で名付ければ「八戸漁港の魚屋が作った 坂下さん家の烏賊塩辛」。

・WHAT(何を使ったのか)で名付ければ「皮むき刺し身いかを100%使用した 最高級お刺身しおから。

・WHY(なぜ作ったのか)で名付ければ「塩未使用だから保存がきかない 生しおから」。

・HOW(どのように作ったのか)で名付ければ「八戸前沖の朝イカと天然海塩だけでつくった 純しおから」。

・さらに健康面を意識したのであれば「イカを味わうための塩辛くないイカ塩辛」といった具合です。

こうすることで、商品が持つ背景・ストーリーがプラスされ、商品自体が意味を持つようになり、他のいかの塩辛と差別化ができます。

また、全く同じ商品であったとしても伝え方が違うと、その商品の価値も変わってきます。

例えば「無洗米」は、研ぎ洗いすることなく水を加えて炊くだけで食べられるように加工されたお米で、便利で機能的な商品です。

この単なる無洗米を「吟醸米」と名付けて、「お米の一番美味しいところを食べてもらいたいの想いから、吟醸酒のように精米歩合にこだわり、雑味のない味わいを追求しました。お米のうまみ層を損なわず、ヌカをきれいに取り除いているので、研ぎ洗いせずそのまま炊いてください」と伝えたら、こだわりの味を追求した商品に変わります。

さらに消費者は便利な生活に慣れているため、“何にでも使える”万能商品よりも、「卵かけご飯専用醤油」のような“これにしか使えない”専用商品に期待値が高まります。

先日、いちご農家の方が「いちごシロップ」を商品化していましたが、なかなか売れないと相談に来ました。

その時、私がアドバイスしたのは、“この商品の一番美味しい食べ方は何ですか?”とたずねたところ、「牛乳に入れると最高のいちごミルクができます。かき氷にかけてもとても美味しいです」との答えが返ってきました。

では、中身が同じいちごシロップであったとしても、商品名を「いちご農家が作る いちごミルクのもと」、夏場は「いちご農家が作る かき氷専用いちごシロップ」とし、商品ラベルを貼り分けてみたらいかがでしょうとアドバイスしました。

シロップだと消費者は何に使って良いのか分からない。いちごミルクのもと、かき氷専用いちごシロップと用途を限定することで、使い方がイメージできますし、専用商品としての期待値が高まります。

商品のことは生産者・メーカーの方が一番分かっているはずです。その商品にしか付けられない名前とは?その商品の価値を最大限に引き出した名前とは?そして、その商品の使い方が消費者に一番わかりやすく伝わる名前とは?

さあ、今一度、商品名を見直してみませんか?

この記事を書いた人

永瀬正彦
永瀬正彦
昭和39 年 東京都生まれ 昭和61 年 慶應義塾大学経済学部卒
大学卒業後、株式会社リクルートに入社。平成20 年に、食品を作る人と買う人を結び、最終的に消費者と結びたい。そして地域と消費地を結びたいという思いから、『バイヤーズ・ガイド』を創刊。平成23 年には『バイヤーズ・ガイド』を事業会社として独立させ、株式会社バイヤーズ・ガイドの代表取締役社長(編集発行人)に就任し現在に至る。日本全国を自らの足でたずね歩き、各地域の方々と出会い、地元の食をいただき、販路開拓のお手伝いをするのが至上の喜び。現在47都道府県すべての自治体をまわり8週目に入っている。年間出張日数は150日を超え、各地で講演を年間90本行っている。

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