生産者が抱える価格設定の葛藤

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クルミのジェノベーゼソース

ままらいふストーリー 第3話

これは弊社で販売サポートをさせてもらっている、長野県東御市のナチュラルファームままらいふさんのストーリーです。小規模農家であり、人、もの、金はなし。園主は中澤小百合さん。そんな女性起業家が、どうやって販路を開拓し、理想とするビジネスを作り出せばよいのでしょうか?そんな軌跡を、田中良介がリアルタイムに描いていきます。上記メニューの「リアルタイム実践事例」からこの記事の一覧をご覧いただけます。

さあ、某大手スーパーでの商談が始まります。

商談に同席してくれたのは、スーパーの取締役の方とバイヤーさんの2人。

「これはいけるかもしれない・・・」 僕は心の中で思いました。取締役の方が同席くださるということは、商品への関心度が高いということが言えます。また、決定権のある方なので、話がスピーディに進む可能性があるのです。

でも、隣をみると中澤さんはカッチコチ!むっちゃ緊張しておられます。リラックス、リラックス!でも、緊張するのも仕方がないか・・・

サンプルとして持ち込んだ商品は、

・クルミのジェノベーゼソース
・ベビーリーフ
・生バジル

です。中澤さんの売り込みたい一押し商品は、クルミのジェノベーゼソース。

一通り、バイヤーさんへこちらから商品説明をしました。先方は興味深く聴いてくれています。試食をしてもらい、評価は上々。ここまでは順調です。ここまでは・・・。

商談はここからが本番なのです。

それは、価格について。

こちらから提示した見積もりについて、バイヤーさんがどのような反応をするのでしょうか?商品の価値と、価格が見合っているのか・・・?

価格を提示したとたんに、和やかな雰囲気が凍り付くシーンを、過去の経験で僕は何度も見てきました・・・。さあ、今回は?

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価格設定の難しさ

話は数カ月前に遡ります。

当初、中澤さんはこの「クルミのジェノベーゼソース」を、今よりかなり安く設定していました。

「あまりにも安すぎる・・・」

これが僕が最初に思ったことです。ぼくが、中澤さんに話を伺えば伺うほど、この商品にはもっと価値があることが分かりました。

中澤さんはなぜこんなに安い値段をつけていたのでしょうか?

それは地元で売られている他の商品との比較です。細かく比較したわけではなく、漠然とした見比べです。あとは、自分の商品を外部の人間に評価してもらったことが、ほとんどないため、自信がなかったというところでしょうか。

また高い値段で売ることは、申し訳ないという引け目もあったのかもしれません。しかし、商品価値に見合った価格をつけることは、当然のことです。「高い」わけではないのです。妥当な値段をつけなければなりません。

強硬に値上げ!

だから昨シーズンより、値上げを断行しました。僕が強引に上げてしまいました。中澤さんからは「本当にこの価格で売れるのでしょうか・・・」と心配されました。

僕の答えは、「分かりません。」(無責任だ~!)

でもこれが本心でした。この値段が妥当なのか最終判断するのはお客さんです。僕ではないのです。僕の決めた価格はあくまで仮説。

これを読んでくれている生産者のあなたも、ここには要注意ですよ。価格について、周り(同僚、家族、専門家 etc)は色々言うかもしれません。それはあくまで参考意見として捉えてください。

いいですか。繰り返します。
最終的に、その価値を判断するのは「お客さん」です!

だから、某スーパーさんが、この商品の価値をどのように評価するのか・・・
僕はこれを見てみたかったのです。

つづく

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。Web制作やコンテンツ制作の評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年より日本食糧新聞社記者(特派員)としても活動中

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