サムガク卒業式から顧客を知る

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侍学園(通称サムガク)の卒業式に先週行ってきました。サムガクは若者の自立支援を行う認定NPO法人です。私は、ほんのささやかな支援者です。

3時間近くに及ぶ卒業式は大変感動的でした。そこで思ったことは、「顧客を知る」ことです。卒業式でなぜそんなことを感じたのか・・・。

3C分析

マーケティングでは、3C分析が重要です。3Cとは、カスタマー(顧客)・カンパニー(自社)・コンペティター(競争相手)です。その情報をより的確に把握し分析することで、自社のポジショニングが決まります。

顧客の情報

特に、顧客の情報収集が大切です。本質的なニーズや具体的なウォンツは何か。アンケート調査や店先での顧客との会話から、一定の情報は得られます。しかし、時にはヘビーユーザーやクレーマーから、極端な意見を聞き、学ぶことも大切です。

卒業式が一番

サムガクの顧客である生徒の情報に触れるには、卒業式が一番です(生徒=顧客はマーケティング的理解なのでお許しください)。長岡理事長が6人の卒業生一人一人に送る言葉を述べ、6人もそれぞれ答辞で返します。

個々の生徒が、大変な悩みを克服していく過程を個性的に明るく表現していました。その時間は、時に笑い声、時にすすり泣き。

そして、入学時のニーズは何だったのか。自立したい(ニーズ)、まずは授業に出たい(ウォンツ)という思いに、スタッフや在校生がどう関わったのか。教わり、そして教えることで心を開いていったことがよく分かりました。価値ある3時間でした。

共育

卒業式は、サムガクのステークホルダー(利害関係者である保護者・支援者・地域住民代表・行政ら)が一堂に集い、学園の経営方針等を実感する場でもあります。

サムガクの経営理念は、スタッフだけでなく、支援者や地域住民も含めた共に学ぶ「共育」です。共に気づきあい、成長していくことです(と思います―理事長でもないのに言い過ぎですね、長岡さんゴメンナサイ)。

顧客スクール

私はここまで書いてきて、思い浮かんだことがあります。

小売店やワイナリー・観光農園等の3次事業者は、ヘビーユーザーや支援者を生徒にしたスクールを開設したらどうでしょう。単なる「ファンクラブや感謝デー」ではありません。サムガクのように顧客から学ぶ場です。

例えば、学校のように初年度に1年生として迎え、1年ごとに進級式を行います。進級者に「自社の商品を愛する思い」を語ってもらい、自社への要望も述べてもらいます。6年経てば卒業式を行い、設定した上級スクールへ進学です。

どうしてもお客様を生徒と表現するのは失礼だ、と思う方もいるでしょう。その場合は「聖徒」ならいいかもしれません(笑)。

関係性マーケティング

スクール授業では、彼らが新商品のアイデアを提供したり、試食モニターになってもらいます。いろんな授業案が浮かび、企業側も生徒も楽しいではありませんか。共に作るのですから。

授業料は、スクールで実現した新商品をいち早く買ってもらう代金です。熱烈ファンや支援者にはインセンティブとなります。長期に渡ってお客さまとの良好な取引を目指す「関係性マーケティング」ですね。

こんなアイデアも、私がサムガク卒業式に出席した「共育」効果と思います。
サムガク、ありがとう!

この記事を書いた人

長谷川 正之
アグリフードビジネスアドバイザー

□1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、長男としての責任を感じ故郷・長野県の農林系金融機関に就職。在職中は、融資や資金証券運用業務ほかに携わる一方、企画業務では「中小企業診断士」の資格を活かし経営戦略(経営理念の策定含め)を立案し事業展開を図る。54歳時に、「上司の顔より真理の顔を」という言葉に出会い、「ソロで力量を磨き、パーティーを組んで更に高い目標に挑戦していく!」意識を自覚。思い切って選択定年で退職。
□55歳で一念発起し、政策研究大学院大学政策研究科まちづくりプログラム(修士課程)に学び、ダントツの高齢者ではあったが無事「公共政策修士」を取得。 
□56歳で長野県庁の民間登用試験を受け、任期付職員として採用(課長級:農政部農産物マーケティング室企画幹)。県農畜産物の統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を玉村豊男氏と共に創設し普及。6次産業化推進や「信州ワインバレー構想」策定等にも関わり、任期満了につき退職。
□61歳で上田市農林部農産物マーケティング推進室・専門員に採用。「発酵で輝く上田のまちづくり」を提唱し、民間の「信州上田・発酵の女学校」等の設立を支援。上田市の統一ブランド「信州上田なないろ農産物」を創設し、地産地消を強力に推進。講演では「尊農上位論」を熱く説く。現在、ながの農協非常勤監事も務める。
□地域活動として、地元小学校PTA会長、さらに当時の小学校連続殺傷事件発生に際し地域で自主防衛すべく歴代PTA正副会長会(ビーナス会)を組織し現在会長。「地域の子どもは地域で育てる」を合い言葉に実践中。春・夏休みには、町内児童館で本の読み聞かせを楽しく行っている。
1995年阪神淡路大震災時には、友人の落語家や中学同級生たちといち早く復興支援寄席を開催。以降、高齢者福祉につながればと坂城寄席を継続開催中(現在休演)。地区の自治活動にも積極的に関わり、来年は区長を担う。コロナ禍や自然災害多発のなか、自治会(区会)が自治体(町行政)を構成する確かな「共同体」の仕組みを作りたいと意欲を持つ。
今後、「中小企業診断士」「公共政策修士」の知識・経験を活かし、さらに地域に貢献したいと前を見すえる。紆余曲折の人生のなかで培った多彩な人脈が自らの強み。
□趣味は落語鑑賞。好きな言葉として 「上に立つより前に立つ」 「スピードが感動を呼ぶ!」「笑いで輪(和)来!」「他人の言葉を気にして生きるには人生は短すぎる!」。
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