心に火をつける人

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受験生と農業生産者の共通項は、何でしょう。
私は、両者とも「チャレンジャー」だと思います。

生産者がチャレンジャーというのは、不思議でしょうか。毎年思わぬ気象変動があり、価格も不安定です。チャレンジする心がないと続きません。受験生も受かるかわからない不安の中で、勉強します。

チャレンジャーに必要なこと

そこでチャレンジャーに必要なことは何でしょう。
私は、「プライド(誇り)」だと思います。心に拠り所がないと挑戦できませんし、続きません。では、何をプライドとするか。
ここにしかなく、自分にしかないこと」です。

昨日、市内の上田西高等学校2年生に「社会で必要とされる人材と大学での学び」と題して講演をしました。その日のうちに感想文をもらい、多くの生徒が印象的だったと書いてくれたのは・・・

生徒が感じたことは

ふだん、私が生産者や加工業者の相談にのっていて、話していることと同じでした。それは学校や畑の「風土・歴史」を知ることです。

上田西校校舎が建っている上田市塩尻地区は、明治から昭和初期にかけて蚕種(蚕の卵)製造業で栄えた塩尻村でした。
蚕種の一大産地で、世界(フランス・イタリア他)への輸出をリードした地です。

千曲川を巡る地形が独特で、年中強風が吹いています。作物が全くできない中、桑にとっては絶好の環境でした。
桑につく害虫を吹き飛ばし、良質な桑葉が生産できたのです。受けて、優れた先覚者が現れ、高品質の蚕種を産み出します。
マイナスは、プラスに転嫁できるのです。

そこにしかない価値

多くの生徒の感想は、「この校舎のある地区が、作物にマイナスの強風という資源をプラスに活かし、蚕種で世界に名を馳せたところと初めて知りました。この地で学んでいることを誇りに思います」と書いていました。

田んぼや畑も同じです。三澤勝衛という信州の地理の教師だった人が言っています。その地の地形や気候をよく見て、大きな石の右側と左側でも風土が違っていることに気づいてほしいと。

そこにしかない価値に気づいたとき、プライド(誇り)が生まれ、踏ん張れます。

私も一緒に、その地にしかない風土・歴史を見つけます。そして、「受験生や生産者の心にプライドという火をつける役割」を担いたい。

こんな人にはならないで

そこで、ひと言付け加えた話に反応した生徒たちもいました。
何を付け加えたか・・・

「授業後、教室を出たところで、こういう人がよくいるんです」
「今日の講師が言ったこの地で学ぶプライドなんてどうでもいい。どこで学ぼうが同じ」

「くれぐれも、こんな火を消して歩く人にはならないでね」

多くの人のやる気を消してしまう人がいるんです。周りにいませんか、いますよね。人がやる気になるのが嫌なんです。自分以上にやる気になるのを阻止して、やらない自分を守る。こんな人に成長は望めませんし運も訪れない、と断言できます。

心に火がつくことば

最後に、私の講演で上田西高校生から反響の大きかった言葉を2つ記します。
社会人になった時に思い出してもらえればと思って話した言葉です。

「憂鬱でなければ仕事じゃない」(見城徹)
「他人の言葉を気にして生きるには、人生は短かすぎる」(スティーブ・ジョブズ)

この言葉に反応してくれて、ありがとう!
私自身の心にも改めて火がつきました。

この記事を書いた人

長谷川 正之
アグリフードビジネスアドバイザー

□1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、長男としての責任を感じ故郷・長野県の農林系金融機関に就職。在職中は、融資や資金証券運用業務ほかに携わる一方、企画業務では「中小企業診断士」の資格を活かし経営戦略(経営理念の策定含め)を立案し事業展開を図る。54歳時に、「上司の顔より真理の顔を」という言葉に出会い、「ソロで力量を磨き、パーティーを組んで更に高い目標に挑戦していく!」意識を自覚。思い切って選択定年で退職。
□55歳で一念発起し、政策研究大学院大学政策研究科まちづくりプログラム(修士課程)に学び、ダントツの高齢者ではあったが無事「公共政策修士」を取得。 
□56歳で長野県庁の民間登用試験を受け、任期付職員として採用(課長級:農政部農産物マーケティング室企画幹)。県農畜産物の統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を玉村豊男氏と共に創設し普及。6次産業化推進や「信州ワインバレー構想」策定等にも関わり、任期満了につき退職。
□61歳で上田市農林部農産物マーケティング推進室・専門員に採用。「発酵で輝く上田のまちづくり」を提唱し、民間の「信州上田・発酵の女学校」等の設立を支援。上田市の統一ブランド「信州上田なないろ農産物」を創設し、地産地消を強力に推進。講演では「尊農上位論」を熱く説く。現在、ながの農協非常勤監事も務める。
□地域活動として、地元小学校PTA会長、さらに当時の小学校連続殺傷事件発生に際し地域で自主防衛すべく歴代PTA正副会長会(ビーナス会)を組織し現在会長。「地域の子どもは地域で育てる」を合い言葉に実践中。春・夏休みには、町内児童館で本の読み聞かせを楽しく行っている。
1995年阪神淡路大震災時には、友人の落語家や中学同級生たちといち早く復興支援寄席を開催。以降、高齢者福祉につながればと坂城寄席を継続開催中(現在休演)。地区の自治活動にも積極的に関わり、来年は区長を担う。コロナ禍や自然災害多発のなか、自治会(区会)が自治体(町行政)を構成する確かな「共同体」の仕組みを作りたいと意欲を持つ。
今後、「中小企業診断士」「公共政策修士」の知識・経験を活かし、さらに地域に貢献したいと前を見すえる。紆余曲折の人生のなかで培った多彩な人脈が自らの強み。
□趣味は落語鑑賞。好きな言葉として 「上に立つより前に立つ」 「スピードが感動を呼ぶ!」「笑いで輪(和)来!」「他人の言葉を気にして生きるには人生は短すぎる!」。
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