あいさつ代わりの価格交渉

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ままらいふ

ままらいふストーリー 第4話

これは弊社で販売サポートをさせてもらっている、長野県東御市のナチュラルファームままらいふさんのストーリーです。小規模農家であり、人、もの、金はなし。園主は中澤小百合さん。そんな女性起業家が、どうやって販路を開拓し、理想とするビジネスを作り出せばよいのでしょうか?そんな軌跡を、田中良介がリアルタイムに描いていきます。上記メニューの「リアルタイム実践事例」からこの記事の一覧をご覧いただけます。

バイヤーさんとの価格交渉。
避けては通れない道です。

商品の紹介や試食のときは、和やかに話が進みます。しかし価格を提示したとたんに、相手の態度が急変します・・・

中澤さんと訪れた、スーパーでの商談も同じでした。

「ちょっと、高いなー。うちはスーパーだからね。そんなに高い商品は置けないんですよ。値段さえあえば、この商品取り扱ってみたいけどね。」

緊張が走ります。中澤さんにとっては、このような場面は初めてです。さあ、ここからどう攻めればよいのでしょうか?

僕の経験上、多くのバイヤーさんが、どんな商品を見ても「ちょっと高いね。」と言います。これはお決まりの文句だと思ったほうがいいです。

英語のお決まり挨拶「Hello, How are you?」みたいなものです。だから僕は「 I’m fine thank you. And you?」と心の中で答えます。(笑)

自分の心を落ち着かせるためです。

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値下げの最低ラインを決めておく

実は、この状況も想定して、中澤さんと事前に考えていたことがありました。ディスカウント交渉をされた場合に、どこまで下げて良いかの最低ラインです。

ここを下回ってまで、商品を販売することはしません。そこまで商品価値を安く見られたら、絶対に売らないというラインです。最低ラインを下回って販売しても、そんな取引先とは長続きしません。割り切りが重要です。

ただでさえ、小規模農家の作る加工品は、生産量が限られています。一つ一つが貴重な商品なのです。それを安売りしてしまってはいけません。(戦略的な値下げはあり得ます。それについてはまた別の機会に。)

結果・・・

最初に提示した価格からは、少し値下げすることにはなりましたが、ほぼこちらの価格を向こうが飲んでくれました。理由を僕なりに分析してみると、

● ほかにない地方商品であること
● 1シーズンで売り切れる程度の数量であり、リスクが少ないこと
● 生産者さん(中澤さん)の誠実な人柄
● こちらの協力体制やコミュニケーション力
● まずはお試し!

「まずはお試し」という要素が、実はとても重要です。これについては、次回以降に詳しく説明していきたいと思います。

商談成立!

その場で、ほぼ商談が成立しました。もちろん最終的には役員会にかけてから決定するとのことでしたが、感触は良好でした。

ままらいふのような小規模農家が、このような大手スーパーと直接取引(=口座開設)をすることは、異例中の異例だと言われました。通常は、仲卸さんが間に入ることになります。

取引先と直接取引を開始することを、「口座開設」と呼びます。この言葉を知らない方は、覚えておいてくださいね。商談の席で飛び交う用語です。

中澤さんも、自分の商品が評価してもらえたことが、とても嬉しかったと仰っていました。スーパーから「クルミのジェノベーゼソース」の予約注文が取れたのです!

プラスαの取引

ここまでは「クルミのジェノベーゼソース」について述べてきました。しかし、嬉しい誤算がありました。

参考として持ち込んだ「ベビーリーフ」と「生バジル」にも先方が興味を示したのです。そして、これらも欲しいと言われました。

ここから言えることは、商談のチャンスを得たら、念のため自社商品ラインナップを一通り持ち込んだほうが良いということです。意外なところに相手のニーズがあるかもしれないからです。

とんとん拍子に事が運んだが・・・

大手スーパーと取引成立!やった~、ハッピーエンド!と思われた方、いるんじゃないですか!?多くの生産者が、実はこのような感覚を持っています。ここに落とし穴があります。

実は、ここがスタート地点なんです。
ここから本当の苦労が始まります。

中澤さんは、まだそのことを知りませんでした・・・

つづく

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。Web制作やコンテンツ制作の評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年より日本食糧新聞社 特派員としても活動中
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