そうか!売り先がない状態で、加工品を作ったからだめだったのか!
6次産業化に取り組んで、最初に直面する失敗です。
あなたは過ちから学び、一歩前へと進みます。
次のステージでは、予約注文を取るべく、動き回ることになります。加工品製造に入る前に、原料を仕入れる前に、売り先を確保するのです。予約注文を取れれば、在庫リスクが減ります。注文取れた分だけを製造すれば、在庫リスクはゼロとなります。
しかし、予約注文には罠があります。生産者が陥りやすい罠です。このトラップにはまると、予約注文が逆効果になります。最悪、倒産に追い込まれます。おそろしい恐ろしい「落とし穴」が存在するのです・・・
さあ、僕が経験したこわ~い実話を踏まえて、ご説明します。
がんばって営業をかけて、とある業者から予約注文が取れました。そのときはとても嬉しいものです。早速、原料の発注をかけます。製造体制に入るべく、スタッフも雇います。パッケージやラベルも大量に購入します。
そして、品質面にも最大限に気をつかい、時間をかけて加工品を製造します。さあ、明日には出荷準備が整います。達成感です。
しかし・・・この段階になって、なぜだか嫌な予感がします。胸騒ぎがするのです・・・。
念のため予約をくれたお客さんへ、確認の電話を入れます。
「お世話になります。ご注文いただいた商品がもうじき出来上がります。納品日の最終確認させていただきたいのですが。」
そのとき、お客さんから耳を疑うような回答が・・・。
「うちはそんな注文してないよ。」
えー!!いやいや、注文したでしょう。
あんたのために、原料を仕入れて、人件費をかけて、製造したがな!
しかし、お客さんは注文していないの一点張り。
これは現実起こりうる問題です。
なぜこれが起こるのでしょうか?
それは注文を口約束してしまったために起こるのです。この段階になっては、何が真実だったのか分かりません。何も文書に残っていないからです。自分の勘違いだったのかもしれません。先方に悪意があったのかもしれません。お客さんと言った言わなかったの口論になります。
結局は泣き寝入りとなります。なんの証拠も残っていないからです。
さあ、ここからがさらに大変です。目の前には行き場のない大量の在庫が、、、そしてプライドはズタボロ。モチベーションを立て直すのも大変です。
もう6次化なんてやめてやる!?
だ・か・ら、予約確認書が必要
これは6次産業化の問題ではありません。お客さんの問題でもありません。前のめりに注文を取ったと思い込んだ、あなたの問題なのです。
商品の予約(らしきもの!)がとれたら、その内容を必ず文書にしましょう。とくに、注文数量が多いときは必須です。
文書といっても、大それた契約書ではありません。
シンプルな予約確認書でOKです。
数量、ロット、価格、納品時期などを記載した、A4一枚の紙です。その内容を両者で確認をとり、先方にサインしてもらいます。
その確認書が完成してから、製造手配に入りましょう。
このわずかなひと手間が、あなたの会社の運命を決めることだってあるのです。
-田中良介
この記事を書いた人

- 世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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