「商談会で成約できず、今回は失敗でした」
「インターネット販売は、目標額に遠く及ばず、うまくいきません。失敗ですね」
「今回開発した加工品は、あまり売れず、失敗作です」
最近、「失敗」という言葉を何気なく使っている人が身近に少なからずいて、気になっていました。
多くの人が、「失敗から学ぶ」と言います。失敗してもいいじゃないか、反省して再びチャレンジすれば。異存はありません。
失敗を辞書で引くと、「やりそこなうこと」「しくじること」「試みて、目的が果たせないこと」などと出てきます。
しかし、これらの一般的な定義では、失敗が尾を引いて出直せない人もいるのではないでしょうか。「またしくじりたくない」と臆病になるのです。
そこで、私が自己流の定義を話すと、急に明るい顔になった人が少なからずいましたので、その話をします。とっても単純な定義です。
失敗とは何か・・・ずばり
「思い通りにならなかったこと」です。
そうすると、思いのレベルを下げれば、失敗にはなりません。
先に述べた商談会の事例では、思いを成約ではなく、まずバイヤーに聞いてもらうこと、とすれば失敗ではなくなります。
ネット販売の目標額を達成できなかった事例では、思いを低い目標額にすれば、失敗は回避されます。
しかし、そこから得るものは少ないでしょう。
結局、思いを高く持ち、思い通りにならなかった経験から多くを学びます。それを「成長」といいます。失敗は成長をもたらします。
思いを高く持ってチャレンジし、多くを学ぼうではありませんか。「やってみなければ幸運にも巡り会えない」のですから。
先月、受験する高校生達に講演する機会がありました。
受験では、模試の偏差値を見て、合格しそうな大学を少し幅を持たせて何校か受けるのが普通でしょう。
でも、私は、思いを高く持って、落ちてもそこから多くを学ぶことに臆病ではいけない、と話しました。現状に満足していては成長できないのです。
多くの生徒が、感想文で心に残った言葉として書いてくれたのは、最後にメッセージとして発した次の言葉です。
「小さくまとまんなよ!」
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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