毎年均一なものができるはずないでしょ!

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「今年のブドウは美味しくなかった。がっかりです。」ってお客さんに言われたとき、僕はもっとがっかりしました。

もちろん手を抜くことなく栽培していますよ。でも毎年完璧なものができるはずもありません。年によっては天候不順もあるし、雹害のような自然災害もあります。途中まで順調だったのに、収穫期の長雨で果実が傷むこともあります。

これは農家の言い訳かもしれません。でも年によってムラがあることは確かなのです。なかには「昨年は良かったのに、今年は良くなかった。返金してください。」と無茶を言うお客さんもいます。「このー、ふざけるなー!」って僕は心のなかで叫びます。

生産者であるあなたも、おそらく同じ経験をしたことがあるのではないでしょうか。

これは農業の実態を理解していない、心無いお客さんの問題でしょうか?
いえ、違います。これはあなたの問題です。

まずあなたの状況を、お客さんに伝えていないことが問題です。(特に都会の)お客さんはボタン一つで、完璧な商品が送られてくると思っている人がいます。残念ながらこれは事実です。生産者のことも農園のことも良く知らなければ、お客さんは商品単体で良し悪しの判断をくだします。ある意味仕方のないことでもあります。

ではどうすれば良いのでしょうか?

まず農園のことや、あなたのことを、しっかりお客さんに伝えましょう。良い面も悪い面も。「悪い面」と言うのは語弊があるかもしれませんが、あなたが今苦労していること、努力していることと置き換えてください。天候不順が続いていて、生育状況が芳しくないなら、そのことも伝えるべきでしょう。

伝える手段はさまざまあります。今の時代であれば、手軽にブログ、SNS、メルマガなどが使えます。ダイレクトメールといったお便りを出しても良いでしょう。相手が業者ならば、電話やEメールなどを使い、タイムリーに伝えます。

できれば、お客さんに農園を訪問してもらう機会を作りましょう。人間は実際会ったことのある人には、親近感を感じてしまいます。会えば会うほど、親しみ度合がアップしていきます。

絶えずこれを続けることにより当初は、
「商品」=「良し悪しの判断基準」だったのが
「生産者+農園+商品」=「良し悪しの判断基準」に変っていきます。

そうなると、あら不思議。

お客さんはあなたの作物の欠陥すら愛せるようになってくるのです。

「今年のブドウは、ちょっと渋かったね。でも今年の自然環境や気候を反映しているんだね。これはこれで個性があって美味しいです。」となるわけです。もう、コアなファンですね。あなたの勝ちです。

でも中には、どれだけ伝えても、理解してくれないお客さんもいます。そんなお客さんとは付き合いを止めてしまいましょう。そもそも分かり合えないお客さんだったのです。理不尽クレーマーの幹部候補生の方たちです。

欠陥は個性。そこまで言ってくれるお客さんは、ちょっとやそっとではあなたの元から離れていきません。長い目で、温かく見守ってくれます。

そしてその状況を作り出すのはあなたの仕事なのです。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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