知っていたら買っていたのに

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awareness

かつて僕はしょっちゅう展示商談会に出展していました。月一回のペースで出ていた時期もありました。

展示商談会は、広報の場であり、バイヤーさんに出会う場です。商品PRを何度も何度も繰り返しました。取り扱い商品は、ブドウを使った加工品でした。これだけ出展すれば、さすがに多くのバイヤーさんにうちの商品は知れ渡っているであろうと思っていました。

しかしですね、現実は違いました。どれだけ出展しても、どれだけPRしても、バイヤーさんから言われた言葉があります。

「こんなにいい商品を、もっと早くに知っていれば良かった。」

え~とですね。こっちはこれだけ商品PRをしている訳ですよ。あんたらの目は節穴かー!!しかし、このようなバイヤーさんが全く後を絶たないのです。

展示商談会だけではありません。マルシェや催事に出ても、お客さんは「こんなにおいしいもの、初めて食べました!」と感動してくれます。これだけPRをしているのに、うちの商品のことを、ほとんど誰も知らないのです。

今だから分かる真実があります。

当時の僕が「これだけPRしているのに・・・」と思っていた、そもそもの認識が間違っていたのです。実は、限られた、そして偏ったPRしかできていませんでした。

あなたの商品が売れない理由のNo.1をお教えしましょう。それは、

味や品質の問題ありません。
パッケージデザインではありません。
ラベルでもありません。
生産者の人柄でもありません。
価格が高いからでもありません。

一番大きな理由は、知られていないから。あなたの商品を誰も知らないから。

考えてみてください。世の中の99.9%の人は、あなたのことも、農園のことも、商品のことも知りません。認知度が全くない状態です。知らないものは買えません。

だから売れていないのです。だから優良なお客さんに出会えていないのです。

あなたのこだわり商品を、まずは世の中に知ってもらう必要があります。知ってもらい、手に取ってもらわないといけません。お客さんのフィードバックが入り始めてから、味がどうこうとか、デザインがどうこうとかの議論が出てきます。

あらゆる広報手段を地道に続ける

では世の中に知ってもらうために何をすれば良いのでしょうか。ざっと思いついたものを書いてみました。

・展示商談会に出展する
・マルシェや催事に出店する
・ホームページを制作する
・定期的にブログを書く
・FacebookやインスタグラムなどのSNSで広報する
・メールマガジンを始める
・プレスリリースを出してみる
・メディアに取り上げてもらう
・新聞記者と仲良くなる
・他の業者を通して、商品紹介してもらう
・バイヤーさんに電話したり、Faxを送ってみる
・Facebook広告を出してみる
・ラジオに出てみる

あなたができていないことはありますか?ほとんどできていないかもしれませんね。ということは、まだまだ出来る余地があるということです。

展示商談会だけ、ホームページだけ、ブログだけでは効果は限定的です。ポイントは、複数の手段を組み合わせて、多面的に広報をすることです。あらゆる角度からお客さんに知らせていきます。

そして継続的に実施することも重要です。一回やったからと言って、急に認知度上がるなんてありえません。お客さんやバイヤーさんは物忘れが激しいので(注:僕もあなたも!)、繰り返し伝えることにより定着させていきます。

商品だけでなく、あなた自身のこと、農園のこと、総合的に認知度を高めていきましょう。地道に地道に。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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