農業者こそ時間管理術を学ぶべき

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最近、時間管理術を学びました。アナログ的に手帳を使った方法です。一度、じっくり教えてもらったのですが、それを習慣化するのは結構大変です。だから先生に、継続的に指導してもらっています。

かつてはGoogleカレンダーなど、デジタルの方が便利だと思っていたときがありました。しかしそれが上手く機能しなくなってきました。やることが増えると、小さなスマホの画面では全体像が見えないのです。

今は完全に、手帳を使ったスタイルに移行しました。その手帳では、月間、週間、デイリーページで管理します。今までさまざまな時間管理を試してみましたが、このやり方が自分にはしっくりきています。

そして、この方法を農業分野にも使えないかと考えています。

言い訳に満ちた農業の世界

農業者は忙しい人が多いです。とくに、今まではJAや直売所だけで販売していた生産者が、販路開拓であったり、6次産業化、輸出、そして社員採用などに取り組むと、途端に時間がなくなります。補助金申請書を作ることだって手間暇かかります。

行政や周りからは、新しいことに挑戦しろ!とせかされます。販路開拓が進みはじめた瞬間に、忙しさがピークに達して、プッツンとなる農家もよく見かけます。僕だって、農業法人でずっと働いていましたから、テンテコマイな状況がよく分かります。

販路が広がれば広がるほど、自分自身が見えなくなります。社内の不満も溜まっていきます。

季節の移ろいや天候の変化が農作業に影響します。突発的な作業があることは事実です。でも本当に農家に時間がないわけではありません。時間の使い方に問題があるのです。「農業は特殊だから・・・」と言い訳をしがちです。あなただって、本当は薄々気づいていたのではないですか?

農業では、農繁期と農閑期があります。農繁期は超忙しいのですが、農閑期は比較的ゆっくりできます。農閑期に今までできていなかったことに、取り組まないといけません。一年の経営計画を立てる、販売プランを考える/行動する、補助金申請をする、勉強会に参加するなど、農閑期だからできることがあります。

しかし、僕もそうでしたが、この時期は気が抜けます。本来やらなければならないことの半分もできません。

農繁期の時間の使い方はもっとシビアです。農作業の合間をぬって、やるべきことをこなさなければなりません。展示商談会に出たり、バイヤーさんに連絡したり、申請書類を作ったり。でも農繁期は「忙しいから」と自分に言い訳をしてしていませんか?そして、すべてが後回し、最悪、見て見ぬふり・・・

農家は本格的に販路開拓に取りくむ前に、時間管理を学ばないといけないといけません。行政の6次産業化セミナーでは、時間管理講座も組み込むべきです。僕が販拡支援に入る場合も、必ず時間管理を先に学んでもらうようにしようかと考えています。そうしないと、農業者がどこかで行き詰まるからです。

僕が実践している時間管理は、ある意味シンプルです。やることを付箋に書いて、手帳に貼っていきます。時間枠にタスクを割り当て、あとはそれを実行していくだけです。

時間枠にタスクが割り当てられていないと、だらけてしまいます。無駄にソーシャルメディアを見てしまったり、メールを何回もチェックしてしまったり・・・。気が付けば、長時間、テレビやYoutubeを見てしまっていることもあります。そんな時間を過ごしてしまうと、自己嫌悪に陥ります。「あ~、もっとやるべきこと、やりたいことがあったのに・・・」って。

時間管理の基本

僕が習慣化しようとしている時間管理の基本は、以下の通りです。ツールとして、手帳と付箋を使っています。何のコストもかかりません。

  1. やり遂げることを決める。
  2. タスクをできるだけ細分化する。
  3. タスクを時間枠に割り当てる。
  4. やり遂げるまでは、すべての邪魔を排除する。

これは農業の世界でも同じです。もし時間がないと感じているのであれば、それはあなたの時間管理方法に問題があるのかもしれません。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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