本当は遅れている日本の品質管理

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品質管理

30代前半までは、ドイツ系の自動車部品メーカーで働いていました。日本法人でしたが、ドイツ本社の資本100%だったので、彼らの考えやプロセスの影響を色こく受けました。

業務は、エアバッグやブレーキ機能のソフトウェア開発でした。僕の役割は、その開発チームのプロジェクトリーダーでした。リーダーですので、ドイツ側が考案した厳格な開発プロセスを理解することも重要な仕事でした。それを自分のチームメンバーにもつたえて、則って開発を進めなければなりません。

そのプロセスの細かいこと、こまかいこと!すべての工程、すべての開発手順が、事細かに定められています。しかもそれを疎かにすることは許されません。開発途中に、何度もチェックポイントがあります。そのチェックポイントでは、監査担当者から、重箱の隅をつつかれるようなレビューをうけます。

もし、なんらかの工程漏れがあれば、すべて宿題として起票され、対応期日を決められます。しかも、宿題と期日は、システム上に登録されるので、もう逃れることはできません・・・

そして、顧客仕様~設計工程~開発~テスト~納品までが、すべて紐づいています。もし納品物に不具合が発生したら、それがどこで起こったのか、誰が起こしたのかが、トラッキングできるのです。トレーサビリティですね。

正直言って、日本人はもっと寛容で曖昧だと思います。仕事のグレーゾーンを、あうんの呼吸によって、チームメンバー間でカバーしあいます。しかしヨーロッパではそのようにはいきません。仕事のグレーゾーンは、それを定義しない限り、誰も手をつけません。だから厳格にマニュアルを決める必要があります。

この厳密さには、もう一つ大きな理由があります。

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それはお客さんや社会からの要望が高まっているのです。曖昧さのなかには、意図的な手抜きや隠ぺいなどが含まれている場合があります。そのような製品やサービスは、受け入れられません。

言い方を変えれば、日本人は真面目で誠実だから、悪いことはしない!という性善説は受け入れられないということです。誠実さと真面目さを証明することが求められます。その観点から、ヨーロッパに比べて、日本は遅れていると言わざるをえません。

日本も、今ではグローバル環境にさらされています。日本人だけで仕事を完結することはほとんどありません。農業だって、アジアから研修生が来る時代です。国内人口の減少を受けて、輸出に力をいれている事業者さんもいます。

僕自身、ドイツ企業から農業界へ転職したとき、その意識レベルの差に唖然としたのを覚えています。農業は食品業界であるはずです。しかし、”食品”という意識がないのです。「農業だから仕方がない。治外法権である。」と考える人が多いのが実情です。

しかし、もう待ったなしです。2020年には東京オリンピックを控えています。それに向けて政府は、GAP(農業生産工程管理)やHACCP(食品の製造・加工工程管理)などの導入を進めています。国際的にみて恥ずかしくない、農業をつくるためです。

裏を返せば、今は国際的にみて、恥ずかしい状態だということです。特に、農家や中小の加工業者の現場状況は、あまり大っぴらにはできません、よね?

「俺(私)が作ったんだから、品質レベルに間違いはない!」

と言っている生産者さん!それは国際的にみて、間違いだらけです。

誤解を恐れずにいうと、あなたの誠実さは信用できません。証明してください。と、いう要求がこれからどんどん厳しくなります。

僕の記事でもHACCPなどについて、今後書いていこうと思います。あなたも、この時代の流れをしっかりウオッチしてくださいね。それが農業者として、あなたが生き残る道でもあります。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

農業者の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年には新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞。
2016年より中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナーとしても活動中。

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