最近、取材をかねて、いろんな生産者さんや経営者の方とお話しする機会があります。結構、じっくりと話を聴きます(「聞く」ではなく「聴く」です)。
どのような信念を持って商売をしているのか?どのような営業やマーケティングをしているのか?もしくはしていないのか?どのようなお客さんと取引をしているのか?将来のビジョンは?
など、いつも深堀をさせてもらっています。突っ込みすぎて、なかにはイラっとされる方もいらっしゃいます・・・、ごめんなさい。
これら取材を通して、分かってきたことがあります。あなたにもこの事実をシェアしたいと思います。
それは、その生産者さんが発しているメッセージに見合ったお客さんが引き寄せられている、という事実です。
メッセージとは、ホームページ、チラシ、ブログ、SNSなど、あらゆるところであなたが発する言葉や文章のことです。さらにいうと、文章だけではありません。パッケージデザインといったイメージ画像も含まれます。
たとえば、気さくなメッセージを発信していれば、気さくなお客さんが集まります。田舎暮らしの魅力を発信していれば、田舎に憧れる人が集まってきます。
妥協を許さない、ストイックで頑固な農業を営んでいる生産者のところには、やはり食に妥協を許さないお客さんが引き寄せられます。
上流階級風なメッセージを発していると、お金持ちの奥様達がお客さんになってくれます。面白いくらいにそれが一致しているのです。
うえで述べたのはそれなりに良い事例ですが、逆のケースも十分に考えられます。
メッセージに一貫性がなければ、それは心変わりの激しい、ミーハーな客を引き寄せることになります。安さや割引を全面にだしていると、品質や味ではなく、価格だけで判断する客が集まってきます。そして、もし何も発していなければ、、、、誰も集まってきません。
結局、あなたのお客さんは、あなたの発しているメッセージを映す鏡なのです。また、ビジネスパートナーや従業員だって、あなたの発したメッセージの結果といえます。
質の高いお客さんに囲まれていれば、利益は安定します。逆に、質の悪いお客さんが多いと、忙しいわりに、利益に繋がりません。言い方は悪いですが、そのような客は、要求が多く、金払いもよくありません。
また、どんな人と取引をしているか、どんなビジネスパートナーと仕事をしているかは、あなたのブランドイメージにも直結します。そのブランドイメージが、さらに次の人を引き寄せることになります。
だから、もしあなたが今の客層に満足していないのであれば、それはあなたの発しているメッセージに問題があるのかもしれません。
最後に、もう少し身近な失敗例をあげてみましょう。
安心安全、健康、減農薬、無添加などを謳っている生産者さんがいました。しかし、彼のブログを見ると、「今日もコンビニ弁当とカップラーメンを食べました。忙しい農繁期は、これに限るよね!」と書いてありました。
さて、彼の元に集まってくるお客さんは、安心安全・健康を求める人達でしょうか?残念ながら、そうではありません。理由は・・・もう分かりますよね。
-田中良介
この記事を書いた人

- 世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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