ここのところ、中小企業のホームページの運営指導をさせていただくことが増えてきました。
多くの生産者は、まだホームページを持っていません。とりあえず、Facebookなどで代用している場合もあります。最初の一歩としてこれで問題ありません。
自分でつくれる人はあまりいないので、基本的に業者さんにお願いして制作してもらうことになります。業者さんは、とりあえず見た目のキレイなページを作ってくれます。
また、「SEO対策としてxxxを入れ込んだほうがよい。」だとか、「Facebookページをホームページ内で表示できるようしましょう。」だとか、「生産者日記(ブログ)ページも必須です。」だとか、いろいろ提案をしてきます。中小企業のほとんどの方は、なんのこっちゃか分からず、言われたままにオプションをつけることになります。
さまざまなオプションを盛り込んで、お金もかけて、立派なホームページができ上ったとしましょう。あなたは「よし、これで売り上げUPだ!」と意気込むと思います。
しかし現実は、ホームページを作っただけで売り上げがアップすることはありません。アクセス数を見てみると、一日20~30程度です。あれ?少ない!
しかもよくよく考えてみると、そのアクセスの大半は、自分や家族や従業員ではないか!!ということに気が付いて、もっとショックを受けます。
あなたのページが検索でひっかることもなければ、アクセスしてもらえることもありません。運よく、アクセスしてくれる人がいても、すぐに立ち去ってしまい、二度と戻ってくることはありません。
なぜこのようなことになるのでしょうか?
結局、ホームページは箱でしかないです。そこに命が吹き込まれていないページをよく見かけます。荒廃農地が社会問題になっていますが、それに負けず劣らず荒廃したホームページといったところです。もう完全に精気を失ったページ・・・たとえば、
最終更新日:2012年8月
こんなページを見たら、もう倒産したか、倒産しかかっているように見えます。見にきた人にとびきり悪い印象と誤解を与えてしまいます。無駄に立派なつくりが虚しく見えてしまうのです。かつて繫栄した古代遺跡のように・・・
だから僕がいつもお勧めしているのは、ホームページはできるだけシンプルにつくることです。
生産者さんであれば、農園紹介、園主紹介、メイン商品紹介、コンタクト/アクセス、ブログページがあれば十分です。あまりごちゃごちゃバナーがあるのは良くありません。背景は基本的に白で、文字フォントや色も、2~3種類以内に抑えるのがベストです。
無駄にページや機能やバナーが多いと、それをあなた自身が更新したりメンテナンスするのが大変になります。すぐに嫌になっちゃいます。だから、現実的に運用できるレベルに抑えるのが良いわけです。
そして、もしブログをやるのであれば、更新頻度を自分で決めて、それを継続する必要があります。無理のない範囲で続けましょう。「これからブログを更新していきます!」って宣言して3日で終了しないように。これもあるあるですよね。(笑)
息吹の通ったホームページはすぐに分かります。バイヤーさんがアクセスしても、あなたの農園に魅力を感じ取ってもらえるはずです。その先の商売にもつながりやすくなります。
あなたのページは、閑散とした古代遺跡になっていませんか?ぜひお客さんの視点で覗いてみてください。
-田中良介
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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