農繁期のマーケティング

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杏

今は農繁期の真っただ中です。直売所に行けば、ズッキーニなど初夏の野菜がたくさん出ています。果物も、杏は収穫期を迎えています。これからブルーベリー、スモモ、プルーン、もも、なし、ブドウ、かき、リンゴ・・・と続きます。

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収穫期には、農園に多くのお客さんが来てくれます。大々的に観光農園をしていれば、もちろんですが、そうでなくともお客さんが頻繁に訪れてくれるでしょう。店舗をもっていれば、やはりこの時期から秋にかけてお客さんが急増します。

この時期の特徴は、向こうからお客さんがやって来てくれるということです。既存客がお友達をつれて、農園に遊びにくることもあれば、ガイドブックを見てふらっとくる人もいます。

あなたは、そのようなお客さんに農産物や加工品を買ってもらって「ありがとうございました。」と言って、そのまま帰してしまってはいけません。

この時期に必ずやらなければならないことがあります。それは、農園や店舗を訪れてくれた新規客の情報を入手しておくことです。お客さんの情報とは、住所、電話/Fax番号、E-mailなどの連絡先です。

この連絡先さえ手に入れば、シーズンが終わっても、お客さんにコンタクトを取ることができます。たとえば、あなたが加工品を作っているのであれば、新商品の案内を送って売り上げにつなげることもできます。オフシーズンに売り上げのない農家にとって、これはありがたいことなのです。

しかしあなたの今の状況を予想してみるに、忙しすぎて、テンテコマイになっているのではないでしょうか。僕も農業法人で働いていたとき、不謹慎にも、これ以上お客さん来ないでくれ!と思ってしまったことがあります。反省。

出荷作業にも追われるので、十分な接客をしている暇もありません。だからあなたは、お客さんの情報など集めている時間はないと言うかもしれませんね。

しかし少しでも仕組みを整えておけば、それは難しいことではないことに気が付きます。お客さんが記入する用紙とペンを準備しておくだけです。来園された方に、その用紙とペンを渡して、書いてもらいます。

普段は警戒して簡単に連絡先など書いてくれないお客さんが、シーズン中の農園の雰囲気のなかでは、心が大きくなって、ほとんどの場合書いてくれます。

うまくやれば、1シーズンで顧客リストが何百と増えます。その人たちに、定期的にお便りを出しましょう。農園通信やダイレクトメールです。そうすれば、彼らはあなたの農園に徐々に親しみを感じて、商品を繰り返し買ってくれるようになります。

加工品をお歳暮に使ってくれるかもしれません。あなたがイベントを開催するときも、来てくれるでしょうし、また来シーズンも、沢山のお友達を引き連れて、農園に遊びに来てくれるでしょう。

あなたの冬の間の稼ぎにもつながります。すなわち農業経営の安定です。

6次産業化をして加工品をつくれば、シーズンを通して経営が安定すると言う人がいますが、それは正しくもあり間違いでもあります。シーズンを通して買ってくれるお客さんがいることが、前提条件なのです。

その前提条件となる足場を固めるのが、農繁期であり、お客さんがやって来てくれる今なのです。

-田中良介

この記事を書いた人

田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

食品企業の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。プロモーション漫画の制作や、記事・コンテンツ制作への評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年 日本食糧新聞社 特派員としての活動も開始
2017年 世界最大の食の見本市「ドイツ・アヌーガ」へプレスとして参加
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