「暑いですネ」の次のアクション

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今回のブログは、私が昨日、所用のついでに訪ねた旧知の米屋さんの対応についてです。

暑い日中にお邪魔しましたが、奥さんが出てこられ、「お久しぶりです。それにしても暑いですねー」の挨拶がありました。

感心したのは、そのあとのやり取りです。

 

私が、栽培米の売れ行きや、以前つなげた旅館との取引のその後はどうか尋ね、好調との返事でした。新しい商品はどうかと聞いたところ、切り餅を商品化したとのこと。

奥さんが続けて言うには・・・
「この暑い中、遠方から来ていただきありがとうございます。夫は不在ですが、せっかくなので、切り餅をぜひ食べてみてください。感想をお聞かせいただければ・・・」

夏の切り餅の需要はどうか、私には正直、見当がつきませんが、せっかくならと食べてみたくなりました。

この会話で、私が感心したのはなぜか。おわかりでしょうか。

私は、夫の農業者と面識があるのですが、奥さんとは1、2回のやり取りのみです。
しかし、私を覚えていて(覚えていないかもしれません)、暑い中せっかく来てもらい、夫が不在なので申し訳ないという気持ちになったのでしょう。

私が勝手に連絡せず寄ったのですが、奥さんは私をコメを買う顧客ではなく、新商品の評価をするモニターに見立て、「暑い中なのに、ようこそお越し下さいました」という感謝の意を込めて、切り餅をプレゼントしてくれたと思います。

私がお金を払わず、受け取り易い状況を作ってくれたのではないでしょうか。私もモニターでなら、感想をしっかり言うことで、役に立つことができます。

奥さんは夫にその旨話し、暑い中せっかく寄ってくれた私に新商品のプレゼントで報いたと報告できますし、感想も聞けます。見事な対応と私は思います。

どこでも見かけそうな何気ないことですが、その積み重ねが、商品のファン作りにつながります。延長線上にブランド化の道筋が見えてくるでしょう。

暑い中、私もお二人をしっかりバックアップしていこうと、さわやかな気分になりました。

ただ、家に帰って餅をどう料理するか、妻の協力が欠かせません。平穏なやり取りになることを祈るばかりです(笑)。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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