紹介本シリーズ⑤「ザ・ジャパニーズ」

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前回から、仮想インタビュアーの美由子さんが相手役です。
(前回から登場の引田美由子さん、読み方は前回ブログを参照・・・笑)

著者は有名なアメリカ人

美由子さん 前回、次は「衝撃的は本」を紹介すると話されたので、期待して待っていました。早速お願いします。
 はい。「ザ・ジャパニーズ」という本で、38年前に出版されました。著者は、エドウィン・O・ライシャワーです。

美由子さん ライシャワーさんなら、聞いたことがあります。駐日アメリカ合衆国大使ですよね。私でも知っています。

 その通り。ハーバード大学教授でもあり、日本の歴史に大変精通している人物です。奥さんは日本人で、日本に関する著作も多い。

なにしろ彼の学位論文が円仁の「入唐求法巡礼行記」の翻訳と解説と知れば、どれほど古文・漢文に精通しているかわかるでしょう。アメリカで出版されベストセラーになりました。

どんな本ですか

美由子さん 「「ザ・ジャパニーズ」なので、日本に関する本ですか。
 日本の「地理」「社会」政治」「世界の中の日本」など、全般について歴史的な見地から記述した本です。

この本一冊で日本を学べる稀な本だと思います。文章も國弘正雄氏訳なのでわかり易い。

美由子さん 私、國弘正雄さん、知ってます。英語の同時通訳者で、アポロ11号の月面着陸をテレビ中継した時に同時通訳した人ですよね。

 よく知っていたね、見直しました。ところで、著書中の2枚の図ですが・・・。
美由子さん 図に入る前に、少しでも紹介したい内容をお願いします。

私 わかりました。いくつか紹介しましょう。前回紹介した安岡正篤さんの「思考の3原則」の1つに「多面的に考察する」があります。

この本にはその良い例がたくさん出てきます。
日本の国土を説明するのに「日本はカリフォルニア一州より小さいというより、イタリアやイギリスより大きいと説明した方が今の日本の姿をはっきりと浮き彫りにする」という指摘です。

美由子さん なるほど、長谷川さんがいつも言っている「何と比較するか」で物の捉え方が違ってくるということですね。

 そうです。他にも、逆に日本は想像以上に小さな国ともいっているんですよ。
居住可能面積で比較すると、日本はベルギーやオランダよりはるかに人口が密集していて小さい」という指摘です。

また、「日本の大きな人口は、水田や二毛作などによる高い農業生産性で支えてきた」など、多面的に見ていて固定観念を揺さぶられます。

更に、日本は資源の無い国といわれるけれど、世界第2位の水産国(当時)という指摘もあります。

驚きの図について

美由子さん わかりました。ページの都合もあり、いよいよ「驚きの図」について・・。
私 そうでした。
ただ、誠に残念ながら著作権上、ここに図を示せないので、何とか言葉で説明してみます。

彼が言うには、国の大きさを測る上で最も有意義な物差しは、国土面積ではなく人口とGNP(国民総生産、今はGDP・国内総生産)だといいます。

そこで、彼の発想による型破りな地図が登場します。国の大小が人口に比例して描かれているものと、GNPに比例して描かれている2枚です。

美由子さん 本の図を見せてください。エッ~、こんな図は見たことありません。ほんとに驚きです!いつも見ている地図を思い切って変えていますね。

世界の人口は中国・インド・東南アジア・日本に集中していることが一目瞭然です。

 そうでしょう。世界の生産力(GNP)の図でも、アメリカ・ヨーロッパ・日本に圧倒的に集中していることがはっきりわかります。

つまりは、地図という「面積の目盛り」で測った広さや形状に、人口や生産力という違った目盛りを堂々と反映させるという手法に驚くのです。40年ほど前に書かれた本ですよ。

なぜ型破りな図を描いたのか

美由子さん はい、びっくりします。でも、なぜライシャワーさんはこんな図を思いついたのでしょうか。

 いい質問です。彼は1964年に初めてこの図を思いついたといっています。

「第二次大戦の敗北が尾を引き、実勢をはるかに下回る評価を蒙っていた日本人に対して、日本がかなりの大国であることを指摘することがそのもくろみであった」といっています。

美由子さん この本をいま改めて読むことは、日本が世界の中で果たす役割を考えるうえで大変重要だと思うんです。
ライシャワーさんも翻訳本で伝えたかったのではないでしょうか。

日本の首相はアメリカの言いなりではなく、世界の中で何をすべきか突き詰めて考える必要があるとこの図を見て感じました。
ライシャワーさんに感謝し、応えなきゃ!

手に入りますか

 私がまとめで言おうと思っていたことを全部話してくれて、ありがとう(笑)。
この本は、ネットショッピングなら超低価格で購入できます、一桁です。これも驚き。

美由子さん この図だけコピーさせてください!・・・とは言いません(笑)。早速購入します。

私 やれやれ。今回は「多面的に考察する」事例として紹介しました。
多面的といえば、このブログの読者は、あなたを含めてほんの一握りの方です。ですから、あなたは貴重な情報を入手している、ともいえるのです(笑)。

次回は、さらに私が中小企業診断士としてコンサルタント活動をしていくうえで、バイブルとしている本を紹介します。

由美子さん いいんですか、ここでしゃべっちゃって。
 このブログを読んでいるあなたが他に伝えない限り、読んでいる人はごく少数なので話しても大丈夫です・・・自虐的ですか(笑)。

由美子さん 答えようが・・・次回も期待しています!

この記事を書いた人

長谷川 正之
アグリフードビジネスアドバイザー

□1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、長男としての責任を感じ故郷・長野県の農林系金融機関に就職。在職中は、融資や資金証券運用業務ほかに携わる一方、企画業務では「中小企業診断士」の資格を活かし経営戦略(経営理念の策定含め)を立案し事業展開を図る。54歳時に、「上司の顔より真理の顔を」という言葉に出会い、「ソロで力量を磨き、パーティーを組んで更に高い目標に挑戦していく!」意識を自覚。思い切って選択定年で退職。
□55歳で一念発起し、政策研究大学院大学政策研究科まちづくりプログラム(修士課程)に学び、ダントツの高齢者ではあったが無事「公共政策修士」を取得。 
□56歳で長野県庁の民間登用試験を受け、任期付職員として採用(課長級:農政部農産物マーケティング室企画幹)。県農畜産物の統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を玉村豊男氏と共に創設し普及。6次産業化推進や「信州ワインバレー構想」策定等にも関わり、任期満了につき退職。
□61歳で上田市農林部農産物マーケティング推進室・専門員に採用。「発酵で輝く上田のまちづくり」を提唱し、民間の「信州上田・発酵の女学校」等の設立を支援。上田市の統一ブランド「信州上田なないろ農産物」を創設し、地産地消を強力に推進。講演では「尊農上位論」を熱く説く。現在、ながの農協非常勤監事も務める。
□地域活動として、地元小学校PTA会長、さらに当時の小学校連続殺傷事件発生に際し地域で自主防衛すべく歴代PTA正副会長会(ビーナス会)を組織し現在会長。「地域の子どもは地域で育てる」を合い言葉に実践中。春・夏休みには、町内児童館で本の読み聞かせを楽しく行っている。
1995年阪神淡路大震災時には、友人の落語家や中学同級生たちといち早く復興支援寄席を開催。以降、高齢者福祉につながればと坂城寄席を継続開催中(現在休演)。地区の自治活動にも積極的に関わり、来年は区長を担う。コロナ禍や自然災害多発のなか、自治会(区会)が自治体(町行政)を構成する確かな「共同体」の仕組みを作りたいと意欲を持つ。
今後、「中小企業診断士」「公共政策修士」の知識・経験を活かし、さらに地域に貢献したいと前を見すえる。紆余曲折の人生のなかで培った多彩な人脈が自らの強み。
□趣味は落語鑑賞。好きな言葉として 「上に立つより前に立つ」 「スピードが感動を呼ぶ!」「笑いで輪(和)来!」「他人の言葉を気にして生きるには人生は短すぎる!」。
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