最近、小学生の息子が100円ショップでオモチャをしょっちゅう買ってきます。お小遣いをどんどん費やします。しかしそのおもちゃで遊んでいる様子もありません。
いくらお小遣いで買っていると言えども、あまりにも無駄遣い・・・。親として衝動的に怒りたくなる気持ちを抑えて、抑えて、抑えて、、、、彼の行動を観察してみました。
すると意外な事実が分かりました。買ってきたおもちゃを全てバラバラに分解しているのです。たとえば鉄砲のおもちゃ。引き金、ばね、銃口をすべてばらして、それを眺めています。なぜ玉が飛ぶのか考えていたのです!
そのあと息子は、トイレットペーパーの芯、割りばし、使い終わったシャンプーの容器などを使って、自分で鉄砲を作っていました。参考にするために、おもちゃを買ってきていたのです。おお、すごい!俺にはない才能があるのかも(親ばか)。怒らなくてよかった。
1からすべてを自分で考えてはいけません。すでに実在するものを分解して、それを参考にするほうが、ものごとは早く進みます。工学の世界では、これをリバースエンジニアリングと言います。確立された手法です。
営業にもリバースエンジニアリングが役立つ!
この季節は、食品関係の展示商談会が各地で開催されます。農繁期のピークを過ぎた農家の方は、オフシーズンに営業して回るぞー!と気合をいれている人も多いことでしょう。
気合とは裏腹に「でもどうやって営業してまわろうか・・・」と不安を抱えているのも事実ですよね。やることがあまりにも沢山あります。行政やアドバイザーなど回りの人も、いろんな助言をしてきます。何が正しいのか分からなくなります。何でもかんでもできないよ!と叫びたくなりますよね。
そんな時に、リバースエンジニアリングが役に立ちます。
現在あなたの商品を卸している取引先をまずイメージしてください。そのお客さんとはどういうきっかけで商売が始まりましたか?紹介ですか、商談会ですか、インターネット経由ですか?
現在から過去に向かって、あなたの行動を巻き戻してください。では一緒に巻き戻していきましょう。
・そのお客さんと継続取引をできている理由は?
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・そのお客さんと取引開始にいたった、最後の一押しは何だったか?
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・取引開始前に、そのお客さんにどのようにフォローアップしたか?
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・最初ににそのお客さんに出会ったとき、どんな営業をかけたか?
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・そのお客さんにどうやってアポを取ったか?
いかがですか?思い出せましたか?これはあなたの一つの成功パターンです。たとえそれが偶然の産物であったとしても、この導線を知り、分解してみることが大切。
もし展示商談会をきっかけに成約に至ったのであれば、その前後であなたがやったことを思い出してみましょう。どんな営業トークがお客さんに響き、あなたはどのようにアフターフォローをやったのでしょうか。
自分のやってきたことには、大きな大きなヒントが隠されています。もちろん長期的には改善していかないといけませんが、その成功パターンをもう一度試してみる価値はあります。
あなたの商品、ターゲット顧客、あなたの地域、置かれている状況において、あなたが既に上手く成し遂げたこと ーー まずはそれを繰り返してみましょう。これが、アクションプランに迷っているあなたが最初に取り組むべきことです。
– 田中良介
P.S. 他人の成功パターンを分解して、リバースエンジニアリングできれば、なお良いですね。
この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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