美由子さん 今回は「マーケティング戦略」の本の紹介ということでしたが、示された表題は違います。どういうことですか。
私 前回予告した「マーケティング戦略」本の紹介は、この次まで待って下さい。どうしても、このところ起こった出来事をあなたに伝えたいのです。
それは、前回の「遠距離交際と近所づきあい」下の結びとしての「エピローグ」として語るのがふさわしいと思います。
美由子さん 話しが見えませんが・・・お願いします。前回から少し日数が経っています。忙しかったのですか。
私 最近身の回りに起こった2つの出来事を、前回のブログ「遠距離交際と近所づきあい」で話した「6次の隔たり」や「スモールワールド・ネットワーク」化のキーワードを使って紹介します。
一つ目は、ある学会の沖縄大会に参加した話しです。
沖縄でのできごと
美由子さん エ~、沖縄に行っていたんですか。うらやましいな~。台風で大変だったでしょう。
私 何とか大丈夫でしたよ。大会日は雨でしたが・・・。
その学会には、中国・台湾・韓国・日本の4か国が参加しました。各国の地域資源等を、多様な視点から探求しデザインする幅広い発表内容でした。
「6次の隔たり」
その中で、日本のC大学大学院留学生の中国人Oさんが発表した「中国のある地方の風習の研究」が、私の関心を呼びました。
以前仕事をした長野県のN村の風習に似ていると思ったからです。
美由子さん 本当ですか。中国と日本の村が実際に似ているって、想像できませんが・・。
私 そこで、研究の参考になるのではと、連れて行ってもらった大学教授U氏に話し、たまたま教授の教え子MさんがOさんの友人とのことなので紹介してもらい、私が直接Oさんに話すことが出来たのです。
私はN村にいたことがあるので、知人である副村長H氏に話し、その友人の村のしきたりに詳しい元村長K氏をOさんらに紹介し、村の事を説明してもらう算段をしている最中です。
美由子さん ということは、前回の「6次の隔たり」の整理で、長谷川さん中心に記せば・・
元村長K氏(2次)←副村長H氏(1次)←長谷川さん→友人の大学教授U氏(1次)→教え子Mさん(2次)→Mさんの友人・中国人Oさん(3次)
となり、中国人Oさんからすれば、N村元村長K氏と出会うのは、「5次の隔たり」となります。長谷川さんが、OさんとKさんをつなげ、スモールワールド・ネットワーク化ができたということですね。
私 だれかが結節点(ノード)となり、情報をつなげる。それは間に入る人が意思を持ってつなげることで短絡化でき、付加価値が生れるのです。
中国人Oさんの研究に役立ち、他の留学生も会ってもらえれば日本の理解が一層進むと期待しています。
美由子さん でも、今回の例では、長谷川さんは感謝されるでしょうが、何の恩恵も受けていませんよね。
正直に言っていいですか。「よくやるよ」って呆れている人もいると思いますよ。
私 ぜんぜんかまいません。いつも妻に言われていますから(笑)。「つなげて喜ぶ人を見るのが好き」なんです。
敢えて恩恵といえば、つなげることで信頼を得て、「人脈が増える」そして「情報収集・発信力が高まる」ということでしょうか。
さらに、今回の4か国の大会で大変感激したことがあったんです。
大会で感激したこと
美由子さん なんですか。沖縄料理が美味しかった、泡盛で盛り上がった・・ですか(笑)
私 違いますよ。感激したのはズバリ・・・中国語への「通訳者」が見事だったことです。
彼女は大会開催国の日本人の日本語を間髪入れず訳し、ほぼ同時にその場の情報が共有できたことです。その場の雰囲気が盛り上がり、参加者全員の高揚感を感じました。
一人の女性通訳者が大きな仕事をしたと思います。大会のMVPといっていいでしょう。この通訳者も、「人と人とをつなげる仕事」をしています。
美由子さん 今回の「遠距離交際」で感じ取ったことですね。
私 私は外国の友人などいないので、特に中国は政治的に見てしまう偏向があったと思います。
しかし、中国の地方の生活や風習を実際に知り、大変身近に感じたことも今回思い切って参加した「遠距離交際」の成果と思います。
私が普段から言っているグローバル世界とは「世界のローカルな地の集合体である」ことを改めて感じました。
もう一つ、「スモールワールド・ネットワーク」化できた出来事を紹介したいのですが、それは次回に・・・。
美由子さん わかりました。それなら表題は「エピローグⅠ」と変えた方がいいですね。
この記事を書いた人

-
長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
この投稿者の最近の記事
【長谷川正之】2023年11月22日「地方創生とSDGs」(2)CO2排出問題
【長谷川正之】2023年11月15日「地方創生とSDGs」(1)「持続可能」を考える
【長谷川正之】2023年7月24日「突然の携帯メッセージに思わず涙」
【長谷川正之】2023年7月12日「これは本物ですか?」