アヌーガ2017 レポート
~ 食の世界最新トレンドをビジネスへ取り入れる⑥ ~
M&M’S チョコレートを食べたことあります?丸くてカラフルなチョコレートです。色鮮やかで子供受けしそうですが、どこか毒々しいですよね。
そのM&M’Sが最近、大きく方向転換しました。以下の記事をご覧ください。
Mars, Inc. recently announced it would be removing artificial colors from all of its food products “as part of a commitment to meet evolving consumer preferences.” More than 50 products will be effected, including M&Ms, Skittles, Starburst, Wrigley’s Gum and Snickers. (HUFFPOST 2016.11.2)
えーと、ざっくり訳しますと「Mars社は、高まる消費者のニーズに応えるため、合成着色料の使用をやめました。」とのことです。
これは2016年の記事ですので、今はもう合成着色料は使っていないと思われます。(日本で販売されている商品にも適応されているかは、確認取れてません。)
じゃあ、どうやって色を付けているかというと、
NATURAL COLORING(天然着色料)です。
あの毒々しくカラフルな色は、実は天然であったー!おーびっくりですね。このナチュラルカラーリングという言葉が、今世界中で注目されています。
アヌーガでもこれは一大トピックとなってました。商品の色が、次々と天然ものに切り替わっています。
商品開発をしている人は分かると思うのですが、やはり天然の色素だけではなかなか鮮やかな色が出せなかったり、劣化が激しかったりします。これが天然ゆえの弱点。と思って、あきらめていませんか?そんなことでは世界との差が開いてしまいますよ。
世界では、野菜や果物やスパイスなどを使って、いかに鮮やかな色を出すかの研究開発が盛んです。カラフル人参やターメリックやベリーなどをつかいます。素材の組み合わせや色素抽出方法など、工夫に工夫を重ねています。消費者のニーズがそちら側にどんどん傾いていっているからです。
事例をお見せしましょう。ぜーんぶ、天然カラーです。ワオ!
ワインも天然カラーでカラフルに!葡萄の皮の色素を使っているそうです。(味は完全にワインでした)
食品も見た目が大切ですよね。そして鮮やかなものに人は目を奪われます。だからと言って、合成着色料をバンバンに使っていい時代は終わりました。これからは鮮やかな色合いと健康を両立しなければなりません。消費者がそれを求めているのです。
あなたの商品のその色。天然素材のカラーに切り替えていきましょう。カラフル人参、ベリー類、ターメリック、ブドウの皮の色素、根菜類の皮などが使えそうですね。
天然カラーにこだわるあなたの姿勢が、いずれ日本の消費者からも支持されるはずです。
– 田中良介
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この記事を書いた人

- Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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